2021.09.08 【石油暖房機特集】コロナ石油FH「WZシリーズ」

石油ファンヒーターの最上位機「WZシリーズ」

消費電力、6割削減

 コロナは、石油ファンヒーターの最上位機「WZシリーズ」で、従来機種から消費電力を約6割削減し、業界トップの省エネ性を達成した。高い暖房性能とともに、冬場に向けて提案を強化していく。

 同社は、WZシリーズをはじめとする今年度モデル15機種を8月下旬から順次発売している。暖房性能と快適性、デザイン性などを兼ねそろえた上位機種から価格を抑えたボリュームゾーンまで幅広い製品群を持つのが、コロナの強みだ。

 中でもWZシリーズは、燃焼用送風モーター、送風モーターの二つを、高速回転が可能で消費電力も少ないDCモーターに変更。消費電力を約6割削減することにつなげた。

 コロナは、石油ファンヒーターに搭載しているバーナーに、自己燃焼熱を利用して灯油をガス化する「ヒートバックシステム」を採用している。この仕組みで暖房時の消費電力を抑えて運転することがもともとできていた。今回、新たにDCモーターを採用したことでさらに省エネ運転につなげた形だ。従来10Wだった消費電力を4Wに下げ、1カ月の電気代は69円から118円程度で済むと試算している。

 また、DCモーターを採用したことで、「ターボモード」機能の搭載も実現した。これは、操作パネルのターボキーボタンを押すだけで、最大暖房出力を一時的に10%高めて運転するモード。新型コロナウイルスの感染拡大で定期的な換気が求められる中、換気後に低下した室温を素早く回復させるのに有効だ。

 デザインも一新している。インテリアや家具になじむ水平・垂直を基調としたシンプルなデザインを採用。部屋に合わせて選べる木目調とヘアライン調は、多彩なインテリアに調和する。

 温風吹き出し口のルーバーが大型化した「足もとあったかルーバー」により、温風到達距離が従来より18%アップし、約200センチメートル先まで温風を届けることができるようになった。2枚のルーバーがそれぞれ火力に応じて温風の角度を制御、温度ムラの少ない快適な暖房を届ける。「ルーバースイング」で、足元温度(床から30センチメートル)が20度になるスピードが約40%アップする。

 今年度モデルは、全製品で点火制御の見直しとバーナーの最適化を行ったことで、通常点火時間が従来モデルよりも約10~30秒短縮している。上位機種の「VXシリーズ」にもDCモーターを採用しており、消費電力の6割低減に加え、ターボモードも搭載。