2021.09.17 【抵抗器特集】日本ファインケム「HVR10000」 低温度/低電圧係数を実現

 日本ファインケムは高抵抗器メーカーとして、MΩ(メガオーム)~TΩ(テラオーム)の高精度・高信頼の抵抗器を、1005サイズのチップ抵抗器(最大150GΩ)から高電圧用(最大300kV)まで製造・販売する。

 高安定化技術水準が高まるにつれて、抵抗器のノイズが顕在化するようになってきたことを踏まえ、高電圧用低ノイズ抵抗器の開発など、幅広い知識と経験を基にさまざまなカスタム抵抗器を提供。高電圧用抵抗器は、最先端分析機器など高安定が求められる機器向けに、安定度を決定付ける部品として最適。

 注目製品の一つは、今春発売の「HVR10000」。産業技術総合研究所との共同研究の成果を活用。超高抵抗値領域で低温度係数および低電圧係数を実現した高安定な標準抵抗器だ。

 抵抗回路の接続端子にはガードと温度センサーを備え、気中で安定した抵抗値測定と抵抗器の内部温度測定が可能となる。25プラスマイナス10度の環境下で精密な抵抗値測定が可能となり、計測器の校正用としても利用可能。「HVR1000」は、より汎用(はんよう)的な製品となっている。

 また、高抵抗チップ抵抗器「HCタイプ」は、1005サイズで最大150GΩを実現。各種計測器やセンサーなどで広く使用される。

 超精密級高電圧用抵抗器では「RHタイプ」「RH超高タイプ」が代表。高抵抗・高精度を特徴とする高電圧用抵抗器で、RHタイプの抵抗値範囲は10k~10GΩ。RH超高タイプの抵抗値範囲は10G~100TΩ。

 電力形高電圧用抵抗器「HVPタイプ」は抵抗値範囲50k~5GΩ、最高使用電圧300kVまで可能で、高電圧関係を中心に各方面で採用されている。