2021.09.17 【抵抗器特集】ツバメ無線4Kビデオ用スリップリング開発

 ツバメ無線は、創業90年超の歴史を持つ可変抵抗器専門メーカー。技術力や品質において定評があり、事業の3本柱である可変抵抗器、ジョイスティック、スリップリングは、それぞれ顧客の要望に応え需要が伸びている。特に最近では大手産業機器メーカーからの需要が増大した。

 可変抵抗器は回転型、スライド型の小型機種に特化して多種類を取りそろえる。特に12、16形は、テレワーク需要により3倍に増えて増産中だ。

 小型・薄型製品を得意とし、材料開発や工法など特許も多数保有。フラットタイプ、ロータリータイプ、UFOタイプのほか、プラスチックシャフト、メタルシャフトなどさまざまな形状・材質を取りそろえ、幅広い顧客ニーズに対応する。

 ジョイスティックは医療機器や内視鏡、リモコン、シンセサイザーなどで需要が拡大。手術支援ロボットにも活用されている。

 同社のスリップリングは静止体から回転体に対し、電力と電気信号を伝達できる回転コネクター。連続回転を必要とするシステムに最適で、監視カメラの雲台、ロボット、ゲーム機、360度旋回の扇風機などに採用。

 特殊な用途ではNHKの「紅白歌合戦」のステージで、約100個のスリップリングが使われた実績もある。高周波用の要望に対応し、1.5ギガヘルツ、3ギガヘルツの同軸コネクター付きも用意した。

 新たに開発した4Kビデオ用スリップリングは前橋市の援助で完成し特許を取得した。薄型でありながら4Kに対応し、監視カメラなどの高精細画像ニーズに対応する。

 同社は今後も新たな製品開発にも取り組んでおり、人型ロボット用スリップリングなど、最先端の技術領域でも強みを発揮する。