2021.09.24 「レイジングループ」根強い人気ノベルアドベンチャーゲーム

PS4「レイジングループ」パッケージ

プレー画面よりプレー画面より

 コロナ禍で在宅時間が増え、ゲームや関連ソフトの売り上げが伸びている中、一風変わったジャンルで2015年の配信開始から根強い人気を誇る一作が「レイジングループ」(ケムコ)だ。発売から間もなく6年が経過するが、今でもTwitterではリアルタイムでプレーコメントがツイートされ、注目を集めている。

 本作は、人狼×和風伝奇ホラーをテーマにした「ノベルアドベンチャーゲーム」。プレーヤーはストーリーを読み進め、分岐点で選択肢を選ぶ。

 選択した回答によって後の展開が変わっていくのがよくあるノベルゲームだが、本作では選択の内容にかかわらず、主人公はほぼ確実に死に至る。タイトルからも分かる通り、いわゆる「ループもの」だ。何度も死に戻ることによって、ホラー要素の基となっている呪いを解き明かすヒント(鍵)を次々と手に入れ、着実にゴールへと近づくアドベンチャー性が織り交ぜられている。

 ストーリーの進め方には大きく分けて三つの軸が用意されており、やみくもに読み進めるわけではないため、ノベルゲームに慣れていない人でも分かりやすく楽しめる。ストーリーチャート機能が備わっており、どこまで読み進めたか、どの回答を選択したかなど、プレーの軌跡が一瞬で確認でき、読み直したい部分に戻ることも可能だ。

 必要な鍵さえ集めればストーリーは進められるので、最短のクリアを目指したい人は自分の勘を頼りに選択肢を選び、謎を解き進めていけるが、全回答を試し、小説として何通りもの展開を読むのもお勧め。ストーリーには、個性的なキャラクターとの恋愛要素も含まれており、あくまで物語のサブ的要素だが、タイプの違うヒロインたちと親密になるそれぞれのエンドは、ホラーが苦手な人でも楽しめるだろう。

 設定や伏線回収が細かく練られたシナリオは、クリアとともに超大作を1冊読み切ったかのような満足感が得られる。クリア後の特典として、キャラクターたちの心情が明らかになったまま読み進められるモードが開放されるため、ノベルゲームながら、やり込み要素を持った一面もある。相当なプレー時間が必要となるため、通常よりまとまった時間が確保できる今こそ、楽しむのに最適だ。

 対応機器はPS4、ニンテンドースイッチ、PCなど。税込み3056円。