2021.09.24 【九州・山口産業特集】九州計測器空間環境の見える化専門に 「ミエル課」設置

計測データをビジュアル化する

 九州計測器(福岡市博多区、岩倉弘隆社長)は、9月に新部門「ミエル課」を設置した。空間環境を見える化するための製品やソリューションを専門に扱い、独自技術のさらなる向上に取り組んでいく。

 同社は「空間温度分布計測システム」を独自で開発・販売してきた。熱電対センサーをデジタル温度センサーに置き換えてノイズに強くしたほか、対象の空間に一筆書きで配線できる「1-Wire」方式を採用し、より正確で効率的な測定を可能にしている。大手ガス会社の環境試験室を皮切りに空調機器メーカーなどへの納入が進んでおり、ニーズに合わせた改良も重ねている。

 2017年にこの技術を応用し、リアルタイムで温度分布をモニタリングできるワイヤレス型温度計測システム「MieruTIME 4D」を中部電力と共同開発した。持ち運び可能なセンサーポールで場所を選ばずに測定でき、データロガーを経由して無線LANで制御用パソコンに送信。ソフトウエア「SpaceSight」で立体的な映像として表示し、温度ムラや熱だまりといった目に見えない室内環境を見える化する。

 「シミュレーションだけでは実際とずれが生じることも多い。実測で得られたデータが立体的に分かりやすく表示されることで、効果的な改善につながる」と同課の阿部宏和リーダーは説明する。工場や大学の研究室などでの利用も進んでいる。

 サーバーラック内部の温度をリモートで監視できる「異常温度監視システム」もリリースの予定。データセンターなどでの利用を想定していて、熱暴走の原因箇所の特定や最適な空調管理に役立てられる。

 「空間環境の見える化は分野を問わず需要がある。今後も改良を続け、当社の新たなブランドとして確立できるよう努力したい」と阿部リーダーは語った。