2021.09.24 【九州・山口産業特集】オーイーシーメンタルヘルスチェックサービス、AIでストレス解析

加藤 社長

 オーイーシー(大分市、加藤健社長)は、ICTサービス企業として、県内外で公共や民間へソリューションを提供。最近はクラウドやデータセンターなども推進し、人工知能(AI)やドローン、IoTなどの研究開発など新規DX事業の創出にも力を注いでいる。

 この中で、「令和元年度おおいたIoTプロジェクト推進事業」の採択事業として開発してきた事業者向けメンタルヘルスチェックサービス「ヘルスチェッカーforクラウド」は、昨年9月からサービスを開始した。

 OKIとの協力で、動画から顔などの微振動を解析するVibraImage(ヴィブライメージ)技術を活用。1分程度の動画撮影でストレスや緊張度などを項目別にAIで解析し、メンタルヘルスのコンディションをチェックする。簡単なアンケートとともに、AIによる動画解析で客観的に判断するため、ストレス状態を早期に発見できる。

 7月からはブラッシュアップのためのデータ収集を兼ねて、社内で全社員(約500人、任意)を対象に利用を開始した。骨折を経験した社員は手術翌日に病室でチェックしたところ、「AI動画解析」のみ「緊張のスコアが高く、精神的に不安定な状態である傾向」との結果が出た。これまでは何度やっても「正常」で、この日も笑顔で臨んだが、AIの動画解析はわずかな揺らぎをつかんでいた。

 大分県立情報科学高校でも試験的に生徒のヘルスチェッカーの利用を開始。ストレスがたまっていないかなど、セルフケアに先端技術を活用している。

 セルフケアが目的の場合は利用者本人のみが閲覧可能。ヘルスチェッカーに登録するIDや氏名をランダム文字列とし、解析結果から個人を特定できない仕組みになっている。コンディションの把握だけでなく、定期的に繰り返しチェックすることで、変化に気づいた場合、早期の対応にもつながる。

 専用機材は不要でカメラ付きパソコンとインターネット環境があれば導入可能。組織のパフォーマンス向上や離職防止、働きやすい職場環境整備に取り組む事業者を支援する。