2021.09.24 【九州・山口産業特集】人吉アサノ電機ピーク電力制御システムが全国から引き合い増
浦川 常務
人吉アサノ電機(熊本県人吉市、浅野強社長)は、ピーク電力制御システム「エレワイズ」の全国展開を進めている。
脱炭素社会の実現に向けた省エネ志向の高まりで、九州以外からも引き合いが増加している。今後は、ウェブサイトを通じて販売代理店に注文できる仕組みをつくるなど需要増に対応する。
同社の主力商品であるエレワイズは、電力監視装置からの信号を受けて空調設備の出力を自動で制御するパッケージ商品。最大需要電力を抑えることで電気料金を削減できる。無線で接続するため設置に時間がかからず、比較的低コストで導入できる点も強みだ。
現在230社に導入。工場、医療施設、役所、介護施設などさまざまな分野で活用されている。最近は、パチンコ店などアミューズメント施設での導入も目立つ。
節電によるCO₂削減効果を期待して導入する企業も増加。7月には九州の大手酒造が空調機50台にエレワイズを導入し、年間で約4.5㌧のCO₂を削減できる試算となっている。
エレワイズは販売目標数をあえて設定していない。浦川敬常務は「無理に売り込まなくても、顧客のニーズに応えれば注文は増える」と話し、顧客の悩みを積極的に聞いて製品開発に生かす。
エレワイズを導入した顧客から「電力以外も一括で管理したい」との要望がありCO₂や室温など、さまざまな数値を自動制御できる新製品「エレワイズキャプチャーエディション」を開発。10月から正式に発売する。
CO₂濃度や温度などの数値が規定域を超えた場合に、自動でファンを回すことができる。状況に応じてファンの回し方に強弱をつけるなど、細かい設定も可能。
品質維持のために適正な空調管理が求められる工場での需要に期待している。
プレ販売を実施しており、8月までにスプリング工場や牛舎に導入している。家畜にとっても室温管理は重要で、これまで人の手で行っていた管理作業を自動化することで、省力化に貢献する。