2021.09.27 全国初、ホテル滞在型リハビリプラン ポラリス、ワイズ、ロイヤルホテルが10月サービス開始

ホテルの会議室を改装したリハビリルームには、安全に歩行リハビリができるトレーニング機器をそろえている

 「リハビリツーリズム」でラグジュアリーな自立支援を―。全国で初めて、ホテル滞在とリハビリを組み合わせたサービスが10月1日から、リーガロイヤルホテル大阪(大阪市北区)でスタートする。

 介護事業などを行うポラリス(兵庫県宝塚市)、リハビリ、ヘルスケア事業のワイズ(東京都港区)、ロイヤルホテル(大阪市北区)の3社が共同で取り組む介護保険を使わない全額自費型のサービスとなっている。

 「寝たきりや車いすの利用から、ホテルを出る際には歩けるようになるのも夢ではない」(ポラリス)オーダーメードのリハビリだ。

 プランは2泊3日の体験プラン(税込み11万円から)と30泊のベーシックプラン(同196万円から)の二つ。ベーシックプランではポラリスが歩行リハビリを週5回、ワイズがはり・きゅうや理学療法によるリハビリを週4日行う。

 いずれも1回当たり2時間のリハビリで、費用には朝食を含む。集中的にリハビリを行うことで、寝たきりや車いすを利用する状態から、プラン終了後には歩けるようになる可能性が大きいという。

 今回のサービス開始に向け、ポラリスは同ホテル7階の会議室を「ポラリス ステイ Premium」に改装。同フロアにはワイズの「脳梗塞リハビリセンター大阪」があり、両社は連携してリハビリに取り組む。

 利用者のために、両施設に近い同フロアの客室2室を専用とし、バスルーム内やベッドのそばに手すりを設置。また、便器内にセンサーを設置し、利用者の日々の体調などを確認できるようになっている。

 ポラリスの森剛士社長は「コロナ禍で在宅のデイサービスを利用できず外出を自粛するなどして、要介護者の体力や意欲の低下が問題になっている。客室のすぐ近くでゆったりとマンツーマンの集中リハビリを受けられるのは、大きなメリット。ホテルという非日常の空間もリハビリに効果的だ」と話す。

 2019年2月に同ホテル内に自費型の脳梗塞リハビリセンター大阪を開設したワイズの早見泰弘会長兼CEOは今年7~9月に過去最高の利用者となる見込みで、25.5%は府外からの利用であることに触れ、「宿泊型リハビリのニーズは大きい。これだけの質と量のリハビリを提供できるのは、新サービスだけ」と胸を張った。

 ロイヤルホテルの蔭山秀一社長は「コロナ禍によりホテルの利用の仕方は多様化した。長期滞在プランが想定外に好評で、同プランに充てている60室の6、7割が常に稼働している状況。新サービスにおいて、専用2室からランクアップしてこれらの客室を利用することもできる」と語った。

 3社によると、滞在型リハビリプランは全国初の取り組み。好評を得られれば、ほかのホテルへの展開の可能性もあるようだ。
(詳細は29日付電波新聞・電波新聞デジタルに掲載します)