2021.09.29 【ASEAN特集】ヨコオヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン

YMPの完成予想図

山口MD山口MD

BCP体制強化に向け比工場建設中

 ヨコオは、2022年春の量産開始に向け、フィリピンに車載通信機器の生産子会社「ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン」(YMP、山口潤MD=マネージングダイレクター)を設立、新工場建設を進めている。同工場は中継コードの量産から開始し、25年以降は順次、シャークフィンアンテナやGPS/GNSSアンテナなどに拡大していく予定。

 ヨコオは、公用語が英語で治安が良いことに加えて、富士山型の人口ピラミッドのため、将来にわたり安定した労働力が得られることから、フィリピンを新工場建設地に選定し、20年8月17日にYMPを設立した。新工場は、バターン州ヘルモサ・エコゾーン工業団地に立地し、敷地面積3万6000平方メートル、建物面積1万1025平方メートルとなる。資本金は2億3000万フィリピンペソ(約5億円)で、ヨコオが全額出資している。

 新工場では22年度末に、従業員900人規模で中継コードを年間70万本量産する予定。26年度末までに従業員数を2200人まで増やし、GPS/GNSSアンテナなども含め車載アンテナ製品を年間220万個量産する計画。また、23年度末にはISO9001、14001、27001の認証を取得予定としている。

 中国工場とベトナム工場で、日本、欧米、アジア向けに車載アンテナ製品を生産している。今回のフィリピン新工場は、車載通信機器セグメントにおける第3旗艦工場になる。

 同工場には、労働集約的な中継コードから生産を移管する計画で、最終的にほかの2工場と同様に、ほぼ全ての製品群を生産品目とし、生産国と輸入国の特色に応じた生産レイアウト選定を可能とすることで、生産面でのBCP体制強化を狙っている。

 同社グループのASEAN地区製造拠点は、このほかマレーシア工場「ヨコオ・エレクトロニクス(マレーシア)」を展開。マレーシア工場では、回路検査用コンタクトプローブや電子機器接続用スプリングコネクターなどを生産する。