2021.10.05 割引時間帯を事前に通知、EV充電の実証スタート出光興産と日産自動車が11月から

 石油元売りの出光興産は日産自動車などと協力し、電力需給に応じて価格を柔軟に動かす「ダイナミックプライシング」を活用した電気自動車(EV)充電サービスの実証を始める。電気料金を割り引く時間帯をEV利用者へ事前通知することで、充電時間帯を誘導する。出光の100%子会社で太陽光パネルなどを手掛けるソーラーフロンティアも参加。期間は11月~2022年1月を予定している。

 実証は経産省の助成を受けて行う。再生可能エネルギーを効率的にEV充電に活用することや、電力需要が高まる時間帯を避けた充電を可能にする仕組みを検証する。

 出光は、電力小売事業で日産と販売面の提携をしている縁がある。実証では、出光と電力小売り契約を結んだ関東在住者で、日産のEV「日産リーフ」およびEV充電設備を持つ参加者を約50人募る。

 参加者には実証期間中、料金を割り引く時間帯を事前にスマートフォンのアプリに通知する。太陽光発電が多く発電できる日中や電力需要が低い深夜帯などへ、EV利用者が充電するのを誘導する仕組みだ。割引率も日々、時間帯により変動させる。「利用者には自分の運行の予定と照らし合わせてお得なタイミングでの充電を判断してもらう」(出光興産)。

 どれだけ利用者に行動変容が起きたかなどを分析する。アンケートも行い、新たなサービスとして実現可能かなどの検討を進める。

 出光興産は「市場からの電力調達が安い時間帯に顧客に行動してもらえれば調達価格が下がり、顧客にとっても購入価格を下げることができる。そうしたサービス開発につなげていきたい」としている。