2021.10.06 福岡市博物館の所蔵品を3Dで鑑賞黒田官兵衛のよろいや博多人形の名品 静かな人気

3D画像で紹介の福岡市博物館の所蔵品から、①黒田長政のかぶと「黒漆塗桃形大水牛脇立兜」

②黒田官兵衛のよろいかぶと「朱塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足 小具足付」②黒田官兵衛のよろいかぶと「朱塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足 小具足付」

③博多人形「初袷」③博多人形「初袷」

 大河ドラマで話題の軍師・黒田官兵衛のよろいや博多人形の名品など、福岡市博物館(福岡市早良区)の所蔵品を自在に3D画像で楽しむ「おうちDE楽しめる3D福岡市博物館」がこの秋、静かな人気を集めている。

 コロナ禍と緊急事態宣言で施設の休館が続いたことから、名品の鑑賞を家で楽しんでもらおうと企画された。

 展示品の3DスキャンとAR化、3Dビューワーの提供は、3Dモデル作成システムやプラットフォームの開発を行うスタートアップ、スチームパンクデジタル(同市早良区)が手掛けた。同社は波佐見焼(長崎)の3D化プロジェクトや、ミニチュアドールハウスに入り込む3D撮影会なども行っている。

 紹介している所蔵品は7品。福岡藩の初代藩主・黒田長政(1568~1623年)のかぶとで水牛の角をかたどった「黒漆塗桃形大水牛脇立兜(くろうるしぬりももなりだいすいぎゅうわきだてかぶと)」(重要文化財)や長政の父、官兵衛(1546~1604年)のよろいかぶと「朱塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足 小具足付(しゅぬりごうすなりかぶと・くろいとおどしごまいどうぐそく こぐそくつき)」、博多人形の名人、小島與一(1886~1970年)が後に妻となる芸妓(げいぎ)をモデルにした「初袷(はつあわせ)」(1914年)など。

 展示室では正面など一定方向しか鑑賞できないが、上下左右の各方向から自由に展示品を眺めることができ、拡大縮小も自在。普段は見ることができない細部や形状を確認でき、美術ファンの関心を集めている。

 3D画像は同館のホームページからスマートフォンやタブレットなどで鑑賞できる。