2021.11.02 【ケーブルテレビ特集】住友電気工業10G-EPONセンター装置、大容量データ伝送可能
4K/8K放送対応ヘッドエンド装置「FLEXCITERシリーズ」
住友電気工業は、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材など、幅広く事業展開している。
ケーブルテレビ(CATV)事業者向けには、主力製品として10G-EPONシステム、4K/8K放送対応デジタルヘッドエンド装置、BS4K放送対応STBを提供している。
コロナ禍でのテレワークの普及などからブロードバンドトラフィックの増加率が上昇しており、CATV事業者は通信インフラの増強・高度化に積極的に取り組んでいる。
同社は、大容量化するトラフィックを支える通信インフラとして、10G-EPONセンター装置「10G-OLT」と、これに対向する無線LAN対応10G宅内端末を提供している。
大容量データの伝送を可能にする10G-OLTは、1シャシーで最大1万6384世帯の加入をサポートする高密度実装と高性能L3スイッチを内蔵しており、センター設備の省スペース化・省電力化に貢献する。
同装置は現在まで70局以上のCATV事業者に採用されており、トップシェアを獲得している。今後、ネットワークの強靭(きょうじん)化を図るために、センター装置が故障した場合は手動または自動で予備系に切り替えるPON冗長の仕組みも検討している。
4K/8K放送に対応したデジタルヘッドエンド装置「FLEXCITERシリーズ」は、装置の高密度実装や省スペース・省電力化などが評価され、90局以上のCATV事業者に採用されている。
CATVのローカル自主放送にスクランブルをかける「高度ケーブルローカル自主スクランブル装置」は、ACASによるローカル自主放送のコンテンツ保護、視聴制御を実現する。ユニット1台で最大3番組のACASスクランブルを掛けられる。
一方、CATVを活用した防災対策への取り組みも進んでいる。同社ではハイブリッドキャストを活用した防災カメラの映像をライブで配信するシステムを提案。国土交通省の河川監視カメラや道路監視カメラの映像を、ハイブリッドキャストの仕組みを使ってMPEG-DASH方式で配信するシステムだ。
自治体からCATVで防災情報を提供してほしいという要望もあり開発された。このシステムにより視聴者は地図上から見たいカメラを選び、河川や道路のリアルタイム映像を視聴することが可能となる。
今後は光化されたネットワークの活用方法として、ローカル5GのフロントホールにPONを利用していくことや、放送のIP化に向けた取り組みを推進していく構えだ。