2019.11.27 【産業用ロボット/ロボット用部品特集】電子部品各社、最重点市場に位置付け

世界の産業用ロボット出荷台数

 産業用ロボットは、世界的な自動化・省人化ニーズが強まる中で、一段と重要性が増している。少子高齢化の進展や安全で快適な社会へのニーズの高まりに伴い、ロボットの世界需要は今後、飛躍的な拡大が見込まれる。

 電子部品メーカー各社は、ロボット分野を中長期の成長のための最重点市場の一つに位置付け、積極的な新製品開発と営業・マーケティング活動の強化を推進する。

 ロボット産業は21世紀を代表する基幹産業に位置付けられ、今後、ロボットの高性能化進展とともに、ワールドワイドで高い成長が期待されている。電子部品業界でロボット市場は、自動車市場と並んで今後の電子部品市場の中長期の成長を支える最重要市場に位置付けられている。

 ロボット市場は産業用ロボット/非産業用ロボットで構成され、ともにワールドワイドで飛躍的に需要が拡大していくことが見込まれている。電子部品メーカー各社は、高性能モバイル端末や産機・車載市場で培ってきた技術を応用することで、高性能化や小型・高密度化が進むロボット向け部品・モジュールの技術開発を加速させている。

 産業用ロボットおよびロボット用部品の直近の需要動向は、17年から18年前半までは好調に拡大したが、米中貿易摩擦を起点とした中国での設備投資需要抑制や世界的な自動車販売低迷の影響などにより、18年秋以降は停滞が続いている。しかしながら、各社の中長期視点での需要展望に変化はなく、在庫調整局面終了後は再度、需要が成長軌道に回帰することが確実視されている。

様々な業界で導入

 特に今後は、社会全体の自動化ニーズが強まる中で、スマートファクトリー化へのニーズが一段と増し、多関節ロボットやパラレルリンクロボット、協働ロボットなどの高性能な産業用ロボットの需要が、これまでの大手の製造業だけでなく、中小製造業なども含めて広がっていくことが予想されている。

 ロボットユーザーの業界別では、先行していた自動車業界に加え、様々な業界での導入が広がりつつある。世界の産業用ロボット市場の中で、日本のロボットメーカーは高いプレゼンスを持っており、今後も産業用ロボット市場が広がっていく中で、存在感を増していくことが期待されている。

 加えて、少子高齢化に伴う労働人口減少への対応や安全で快適・便利な社会の実現のため、今後はサービスロボット(非産業用ロボット)の市場がより速いスピードで広がっていく見通し。サービスロボットは、介護・福祉ロボットや災害対策用レスキューロボットなどの業務支援ロボット、会話や受付業務を行うコミュニケーションロボットなど多様な種類がある。

技術開発を加速

 ロボットに搭載される部品には、モーターやセンサー、アクチュエータ、光学部品、無線通信モジュール、タッチ入力デバイス、音声認識デバイス、電源、受動部品、接続部品などがある。

 電子部品メーカー各社は、ロボットの高性能化や高精度化、小型・軽量化、安全性向上などに寄与する技術開発を加速させて、新たなビジネスの獲得を目指す。

【産業用ロボット/ロボット用部品特集】目次

●電子部品各社、最重点市場に位置付け
製品別動向
イリソ電子工業 ロボット組立適合コネクタを推進
スミダコーポレーション 多出力トランス4タイプ品揃え
KOA 電流検出用低抵抗器など提供 高度なモーター制御に貢献
品川商工 トータルに顧客ニーズをカバー 信頼と実績ある製品提案
ソロモンテクノロジー ビンピッキングの進化を提供