2021.11.08 暖房に高機能エアコンを各地の地域電器店、換気・省エネ意識 灯油高騰も影響

手ごろな価格の小型暖房器具が並ぶ店先(東京都江東区の栄電気)

 冬到来を前に暖房器具の需要が増す中、従来の石油ファンヒーターやストーブに代わり、高機能・省エネタイプのエアコンを訴求する動きが地域電器店で進んでいる。火を使わず給油の手間が省けることや、コロナ禍での換気・空気質へのこだわり、昨今の石油価格の高騰が背景にあるとみられる。

 パナステーションモリヤマ(愛知県豊田市、森山健一代表)では、ここ数年、ハイグレードのエアコンに買い替える顧客が増加。従来、石油ストーブを使用していた高齢者からは「灯油の購入やストーブへの移し替えが大変」「火事が怖い」という声が多い。

 なりたでんき(青森県弘前市、成田正志代表)でも暖房エアコンを中心に提案し、購入の動きが進む。成田代表は「暖房エアコンを提案すると成約するケースが増えてきている。灯油の値段が高くなっている影響もあるのではないか」と話す。

 ただ寒冷地を中心に、足元からすぐに暖まる石油ファンヒーターの需要は根強く、リビングなどでエアコンとの併用を勧める店も。

 パーソナル用や寝室、洗面所などで使う小型暖房器具も人気。栄電気(東京都江東区、沼澤栄一社長)では、手ごろな価格の暖房器具が店頭に並ぶ。「気軽に見てもらうため、価格が安いものや置き場に困らない小さな商品を目立つ場所に置いている」と狙いを説明。店内ではさまざまな種類の電気あんかも展示している。
(9日付、電波新聞・電波新聞デジタルに詳報します。)