2021.11.11 【電池の日特集】年末にかけて需要期に電池工業会、正しい使い方など訴求

最需要期に向け買い忘れのないよう訴求していく

 きょう11月11日は「電池の日」。「11」を漢字で書くと「+(プラス)-(マイナス)」になり電池の正極・負極を表すことから電池工業会が1987年に制定した。工業会では毎年11月11日から12月12日の「バッテリーの日」(野球のピッチャーとキャッチャーのポジション番号の1と2から)までを電池月間とし、電池の正しい使い方や安全な使い方などを訴求している。これから年末にかけて電池の需要期にも入る。コモディティー(日常)商品であるだけに買い忘れや正しい使い方を改めて訴求えることが求められる。

 アルカリ乾電池の国内市場は、2014年以降数量ベースでは前年を上回っており堅調に推移している。乾電池は年末に最需要期を迎え、そのほかは台風や地震などの災害時に需要が伸びる。この数年は豪雨災害が各地で発生し、避難生活を余儀なくされた人もいた。最近は地震などの発生リスクも高まっていることから、防災の観点から電池を蓄えておくよう働き掛ける動きも出ている。

電池の備蓄を推奨

 災害時には懐中電灯や携帯ラジオなど、乾電池を使う機器が必要になる。LEDランタンやスマートフォンの緊急時の充電にも乾電池の充電器を使う。最近の乾電池は長期保存できる製品も増えているため、災害に備えて乾電池の備蓄を推奨するところも多い。

 乾電池の備蓄にはローリングストックという保存食や消耗品、備品などを普段少し多めに買っておき、使った分を新しく補充する方法が提案されている。

 日本気象協会は5人家族が3日間過ごすための乾電池の備蓄は約50本が目安だとする。こうしたことについても、日頃から店頭や訪問販売時に訴求していくことが必要だろう。

 乾電池は懐中電灯や携帯ラジオだけではない。最近の電子機器は専用のリチウムイオン電池を使うものが増えてきているが、意外と乾電池を使う製品も多い。家電製品のリモコンに加えて、ワイヤレスマウス、掛け時計や置き時計なども乾電池を使う。

 携帯用電動歯ブラシ、携帯用のシェーバー、電動血圧計なども乾電池だ。玩具なども電池駆動のものが多く、子どものいる家庭では乾電池の備蓄は欠かせない。

 ビジネス用途では電子辞書やICレコーダーなども乾電池駆動のものが多い。

 年末に向けては暖房機のシーズンに突入する。石油ストーブは乾電池が不可欠なほか、給油のための電動ポンプなども電池駆動。ストーブや給油ポンプは単1形乾電池を使うケースが多い。改めて電池とセットにした展示などを確認したい。

玩具にも不可欠

 クリスマスや正月を控え、玩具の販売も増えてくる。最近は電子化・電動化が進んでおり、自動車や鉄道玩具などモーターで動くものやLEDなどの電飾、電子回路を搭載している製品には乾電池が不可欠。常に多めに備蓄していくことが望ましいだろう。暖房機と同様に売り場には電池コーナーを設け、販売時の一声なども心掛けたい。

 国産メーカーの乾電池はハイパワーで長持ちなどの性能面だけでなく、長期保存や液漏れ防止など安全面も強化されている。10年の長期保存ができるため、備蓄を前提にした提案も進めたいところだ。

 電池工業会では、12月12日までの電池月間にちなみ、12月31日まで「電池は正しく使いましょう」PRキャンペーンクイズを行っている。

 正しい電池の使い方や使い終わった電池の処理などを伝えていくほか、ギフトカードやQUOカードが当たるクイズを実施。ホームページから応募でき、電池についての認識を高めてもらうようにしている。