2021.11.12 「なかったから助かる」 3年ぶりに家電店東京・品川のパルム商店街にマツヤデンキが出店

黒塗りの柱が店内に何本も。アパレルショップの名残だ

13日にグランドオープンするマツヤデンキ武蔵小山店13日にグランドオープンするマツヤデンキ武蔵小山店

 東京・品川のパルム武蔵小山商店街。東急目黒線の武蔵小山駅につながる、全長800メートルに及ぶ全天候型アーケードを備えるこの商店街に、3年ぶりに家電店が出店した。

 出店したのはマツヤデンキ。ヤマダホールディングス(HD)で家電店運営を行うヤマダデンキの子会社だったが、7月からヤマダデンキに吸収合併され、今ではストアブランドとして屋号が残る形となっている。

 マツヤデンキは小商圏の地域密着型として強みを持つ家電店だ。メーカーの系列店とは異なり、さまざまなメーカーの商品を取り扱う。そのため、小型店ながらも、ある程度の品ぞろえを重視した売り場構成が特徴になる。

 パルム商店街にはラオックスが出店していたが、再開発による取り壊しで2018年10月に閉店。以降、商店街から家電店が消えた。

 11月13日にグランドオープンするマツヤデンキ武蔵小山店は、東京都内や静岡県でFC店を6店展開する山﨑商会(東京都目黒区、山﨑敦久社長)が運営する。165平方メートル程度の2フロア構成で、常時4~5人を配置して地域客の「お困りごと」に対応していく考えだ。

 もともとアパレルショップが入居していた場所で、内装や什器(じゅうき)などをそのまま利用することにより、2週間足らずの準備期間でオープンまでこぎつけた。木目調の床材や壁材を使うことで柔らかさを演出しているが、黒塗りの柱が店内に何本もあるさまは家電店らしからぬ雰囲気もあり、「あるものはそのまま使うことにした」と豪快に話す、山﨑社長の人柄のような飾らなさがある。商店街だけに人通りはあり、多くの利用が期待できそうだ。
12日のプレオープンでは、事前にDMを送付した顧客を中心に応対したが、道行く人が足を止め、店内を回遊する姿も。午前中から年配者の来店が続き、大忙しとなった。

 「今までなかったから助かる」―。山﨑社長の元には早速、喜びの声が届いている。