2021.12.01 【テレビ特集】年末商戦に向け買い替え提案加速

業界で初めて4K放送の無線伝送によりテレビの置き方の自由度を高めたパナソニックの「レイアウトフリーテレビ(TH-43LF1)」

年末商戦に向け大画面テレビを訴求していく年末商戦に向け大画面テレビを訴求していく

 テレビメーカー各社は、年末商戦に向け大画面テレビの買い替え提案を加速させる。今年前半は〝巣ごもり〟需要も追い風になり、出荷が好調だったテレビだが、夏以降は需要に一服感も出ている。12月はテレビの最需要期にもなる。主要メーカー各社は、キャッシュバックキャンペーンを用意し、買い替えを喚起していく。

 国内テレビ市場は、大画面高精細4Kテレビを中心に買い替えが進み、今年は東京五輪・パラリンピックをはじめ、巣ごもりによる2台目、3台目需要もあり、出荷は堅調に推移していた。電子情報技術産業協会(JEITA)の出荷実績でも6月までは薄型テレビの出荷台数は15カ月連続前年同期比プラスとなり、うち高精細4Kテレビは16カ月連続プラスだった。

 7月以降は需要も一段落。直近10月の出荷実績までは前年割れが続いている。半面、有機ELテレビは8月に前年比減となったものの、9月以降は復調し2桁成長をしている。メーカー各社は最需要期のボーナス商戦に向けて最新の高画質技術を前面に出し、買い替え促進を図る考えだ。

 主要各社のテレビ各社の21年モデルは、高画質化と高音質化に一層磨きがかかった。あらゆる映像を高画質処理する画像処理エンジンには人工知能(AI)を活用するようになり、各社が長年培ってきた映像再現技術を組み込んできている。有機ELテレビはパネルの製造工程から技術連携して高画質化を図る取り組みも進み、各社の違いがより鮮明になっている。

 音質も各社が力を入れる領域だ。スピーカーの配置を工夫するとともに、デジタル処理技術を駆使し、大画面に見合った迫力のある音づくりを進める。最新の上位機種では、映画館と同じドルビーアトモスなどによる立体音響が楽しめる機種も増えてきている。

 インターネット動画の視聴機能も充実する。放送波だけでなくネット動画も高画質化するほか、より簡単にネット動画が視聴できるリモコンも各社で特徴がある。ネット動画を視聴する機会も増えていることから、訴求ポイントとして見ていきたいところだ。

 年末商戦に向けキャッシュバックキャンペーンを用意して販促を支援していく。パナソニックはレコーダーとセットで最大2万円のキャッシュバックをするほか、シャープはレコーダーとセットで最大5万円、ソニーもレコーダーやネックスピーカーとセットで最大7万円、TVS REGZAはスクラッチ抽選で最大9万円のキャッシュバックをする。

「デジタル放送の日」

 きょう12月1日は「デジタル放送の日」。2006年12月1日にデジタル放送推進のための行動計画が採択され、デジタル放送の発展と普及を図る目的で定められた。12月1日になったのは00年12月1日にBSデジタル放送が開始し、03年12月1日に東名阪で地上デジタル放送開始、06年12月1日に全国で地デジが開始されたことが背景にある。

パナソニックの主力製品

 パナソニックは、「4Kビエラ」(有機EL/液晶テレビ)フラッグシップモデル4K液晶ビエラJX950シリーズ(75V型/65V型/55V型)、4K有機ELビエラJZ2000シリーズ(65V型/55V型)をはじめ、多彩なラインアップで大画面・高画質ニーズに応える。

レイアウトフリーテレビ(TH-43LF1)

 暮らしに寄り添う新しいテレビの形として、「レイアウトフリーテレビ(TH-43LF1)」(オープン価格/市場想定価格=税込み24万円前後)を10月下旬から発売、話題となっている。

自由に視聴場所を選べる

 レイアウトフリーテレビは、業界で初めて4K放送の無線伝送により、テレビの置き方の自由度を高めた43V型液晶テレビ。テレビ(モニター)のアンテナ線接続を不要とし、電源ケーブル1本で自由に視聴場所を選ぶことができる。

 大画面・高画質・高音質・多機能化するテレビはリビングの主役となる一方で、従来はアンテナ線やレコーダーなどの機器のケーブルが届く範囲でしか設置できなかった。「テレビの位置によって家具のレイアウトが制限され不満」「デザインがインテリアになじまない」といったユーザーの声もあることに応え、レイアウトフリーとしてインテリアにフィットするデザインを採用した。

 無線伝送技術はポータブルテレビ「プライベート・ビエラ」から、4K映像の圧縮技術を「4Kディーガ」から受け継ぎ、データ容量が重い4K放送の安定した高品質な無線伝送を実現した。

 テレビ(モニター)はキャスター付きスタンドを採用することで、壁に寄せたり、部屋の中央に設置したりと好きな場所に簡単に動かせるほか、リビングからダイニングへ移動させるなど、生活シーンに合わせて楽しめる。

 インテリアになじむように本体、スタンドともに白色を基調とし、360度どこから見ても美しく、スタイリッシュなデザインに仕上げた。

 チューナー部は2テラバイトハードディスクを内蔵。新4K衛星放送対応チューナー2基を含む3チューナーを搭載し、新4K衛星放送の裏番組録画もできる。

 多彩なネット動画サービスにも対応。別途録画機器などを用意する必要がなく、見たいコンテンツを好きな場所で楽しめる。

 リモコンの色にもこだわり、白基調のカラーを採用。新4K衛星放送、地上デジタル/BS・110度CSデジタル放送に録画番組、ネット動画など、あらゆるコンテンツを快適に楽しめるメニュー、ホーム画面、リモコンを採用した。リモコンはテレビに向けて操作できる。

 無料のスマートフォンアプリケーション「どこでもディーガ」を使うことで、外出先で録画番組や放送中の番組の視聴、番組録画予約に加え、スマホの写真をチューナー部に保存し、大きな画面でスライドショー再生することもできる。

 対応家電の動作状況などを音声で知らせる「音声プッシュ通知」にも対応する。