2021.12.07 NEC、5G事業で攻勢森田社長「22年は成果形づける年」

持論を語るNECの森田社長兼CEO

 NECの森田隆之社長兼CEOは、第5世代移動通信規格5Gの基地局整備を巡り、複数メーカーの機器を組み合わせてネットワークを構築する「Open-RAN(オープンラン)」について「非常に大きなチャンス」と述べ、グローバル展開に攻勢をかける考えを示した。6日に行われた報道各社の共同インタビューで明らかにした。

 森田社長は、2025年度までの中期経営計画の柱に掲げるグローバル5Gの競争環境について「コンピューターの世界で1980年代~90年代に経験したのと同様、2G、3G、4Gとジェネレーションが進むごとにプレーヤーの競争環境が大きく変化した。今回は非常に大きなチャンス」と分析。その上で「オープンランが進展すればするほどビジネスの領域が広がる構造にある。そこが我々の強み」と語り、先行する通信大手のNTTドコモや楽天などと連携してグローバル市場を拡大する意向を強調した。

 成長投資としてのM&A(合併・買収)では、今年4月の社長就任前に最高財務責任者(CFO)として海外のデジタルガバメント(電子政府)やデジタルファイナンスのM&Aに5000億円を投じ成長基盤を築いた実績を踏まえ「M&Aはビジネスの選択肢の一つ。中計を進めていけば、過去3年で使った5000億規模の投資余力はあると思う」と説明。5G分野では技術や人材といったリソースを獲得するM&Aを視野に入れているとした。

 22年の展望については、半導体を発端とする部材の供給不足が引き続き不透明な状況にあることを懸念する一方、新型コロナウイルスの影響は「楽観視はできないがコロナとのビジネス的な付き合い方が分かってきた。我々の業界へのマイナスは少ない」と指摘。「22年は、5Gなど定性的な成果を形づける年にしたい」と述べ、5G市場の獲得に注力する考えを重ねて強調した。
(詳細は8日付の電波新聞情報通信面、電波新聞デジタルに掲載します)