2021.12.28 ヨドバシが小型EVを発売、家電量販店で初「家電化する車」ついに店頭へ

販売を開始した小型EV

 ヨドバシカメラが小型の電気自動車(EV)の店頭販売を28日から開始した。ビークルファン(東京都江東区)が製造・販売する小型EVで、運転するには普通自動車免許が必要。EVの取り扱いは家電量販店として初で、「家電化する車」を象徴する対応といえそうだ。

 新宿西口本店(東京都新宿区)で、ビークルファンの3人乗り小型EV「EV-TUKTUK」などの実車を展示し、5機種の販売を開始した。全国店舗のほか、ネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」からも注文できる。

 TUKTUKは最大時速40キロメートルで公道を走れる一方、両側ドアがない「側車付軽二輪」登録であるため、車やバイクと違って車検や車庫証明が不要。家庭用100V電源から8時間から10時間で充電でき、最大80キロメートル走行できる。「ちょっとした買い物などに使いやすい」(ヨドバシカメラ新宿西口本店自転車専門チーム・小崎諭グループリーダー)。毎年の重量税はかかるが、車やバイクに比べると維持費の大幅減を実現する。

 購入時に「納車パック」として、登録手数料やナンバー登録料、重量税、自賠責保険(3年)などの加入が必要。エリアによって配送料が変わり、首都圏などが最も配送料が安い。新宿西口本店に実車を展示したのもこうした背景があり、今後首都圏を中心に実車の展示店の拡大も検討していく。

 東京や神奈川、千葉など最も配送料が安いエリアのTUKTUKの納車パック価格は税込み14万5000円。ここに本体価格(TUKTUKで税込み66万円)が支払総額になる。本体はヨドバシポイント10%の還元対象だ。

 ヨドバシは電動キックボードなどを取り扱っている。小崎グループリーダーは「おもちゃとの境があいまいで、事故も起こっている」と危険性を指摘。新規取り扱いとなるビークルファンの小型EVは「運転するには免許がいる。運転には慣れが必要かもしれないが、より安全に乗れる」と利点を説明する。

 ヨドバシは販売店という位置付けで、アフターサービスやオプション追加などはビークルファンが対応することになる。ヨドバシは今後、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、小型EVの普及促進に積極的に取り組んでいく考えだ。