2022.01.06 米ラスベガスで「CES2022」開催中デジタルヘルス、サステナブル、モビリティーの出展盛ん

現地会場では新型コロナワクチンの接種証明の提示など、感染症対策を強化して開催(写真提供=SkyDrive)

 米ラスベガスで5日から7日(現地時間)まで、世界最大級のエレクトロニクス総合展「CES2022」が開催されている。約100の国・地域から約2300社が出展し、最先端の技術をアピール。今年のトレンドはデジタルヘルス、サステナブル、モビリティー関連のもようだ。

 CESは米民生技術協会(CTA)が主催。業界関係者やメディアなどが来場し、最先端の技術動向を捉え、商談する場となっている。新型コロナウイルス流行の影響で昨年は完全オンライン開催に。今年はリアル開催を復活させたもののオンラインとの併用となり、会期も当初予定の4日間から、最終的には3日間に短縮した。多くの日系企業も出展を見合わせたようだ。

 現地会場では新型コロナワクチン接種証明の提示やマスクの徹底を求めるなど、対策を強化。コロナ前の20年の開催時には約 17万人あった来場者は、オミクロン株の流行が影響し、例年より少ない印象だが、それでも基調講演などで登壇者がゲストスピーカーとのオンライン対話やゲストを動画で紹介するなど、リアルとオンラインを融合させながら展示会を盛り上げていた。

 CTAが今年のトレンドのひとつと指摘したヘルスケア関連では、ボッシュが小児科医療の診断ツールとして研究している音響AIを紹介。

 日本からはオムロン ヘルスケアが「脳・心疾患発症ゼロ」を掲げ、米国で提供している高血圧患者向け遠隔モニタリングシステムや、心電図を記録するアプリの最新動向などを説明した。

 独自の光触媒技術による浮遊する新型コロナウイルスの不活化の実証を発表しているカルテック(大阪市中央区)は、米国市場への本格参入に先駆け、初出展。光触媒搭載の空気清浄機や常温食品保管庫を提案した。

 TOTOは、衛生や清潔への意識が高まったニューノーマルの生活において、「TOUCHLESS」「WASHLET」「CLEAN SYNERGY」の3観点から訴求。

 日系勢のモビリティーでは次世代EVや安心・安全をキーワードとした出展が見られた。パナソニックは車両管理・運行管理アプリケーションや交通管理システム(V2X)などを紹介。V2Xは車両同士との情報を活用した交通システムサービスを、車両や路線機のハードのみならずソフトウエアアプリやクラウド分析、AI学習等を用いた統合ソリューションとして提案する。

 三菱電機は、車内の乗員モニタリング技術とヘッドライトの配光制御技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI xS Drive(イーミライ エックスエス ドライブ)」を特設サイトで出展。京セラSLDレーザーは自動車用ヘッドライトなどの次世代EV用や特殊照明用などの高効率SMD型GaNレーザー、GaNレーザーモジュールを紹介している。
(6日付、7日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報しています。)