2022.01.18 老舗新電力のイーレックス、中・四国の新電力をグループ化 「強み広げる」

 老舗新電力のイーレックスは、広島市西区の新電力、イーセルをグループ会社化すると発表した。全株式を2月中に取得する。取得額は非公表。イーセルが事業を主に展開する中国、四国地方にも販売を強化していく狙いだ。

 イーレックスは2000年に電力小売りに参入し、全国で事業を展開。低圧だけで約26万件の顧客を持ち、21年度上期の販売電力量は高圧も含めて約2770GWhに達する。

 一方、11年に設立されたイーセルは中国、四国エリアを中心に、代理店を通じて一般家庭や事業所などに販売を拡大。「地域に密着した営業手法で顧客と信頼関係を築いてきた」(イーレックス)。20年度の販売電力量は約14万1900MWhと公表している。

 イーレックスは、電力小売り事業を九州エリアから始めた経緯があり、首都圏のほか九州地方にも強みを持ち、多くの顧客を獲得してきた。

 イーセルをグループ化することで、比較的弱かった中国、四国地方の販売拡大につなげ、「強みを広げることができる」(イーレックス)と見る。

 イーレックスは、他社との提携やM&Aによる事業拡大に取り組む方針を掲げており、20年7月には米国系の新電力を完全子会社化した。それに続いて、2例目になる。

 イーレックスIR広報部は「(M&Aなどを)今後も拡大の手法として活用していく」としている。