2022.01.19 NEC、行政のDX支援で攻勢25年度売上高約2000億円以上を目指す

 NECは、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の支援で攻勢をかける。19日、ITシステムのクラウド環境への移行などを支援するソリューションの各種メニューを体系化すると発表した。DXの対象領域が医療や教育などの準公共分野に広がる動きも見据えて商機を拡大。関連事業全体の年間売上高で、2025年度に約2000億円以上の達成を目指す。

 同日のオンライン説明会で中俣力執行役員常務は、ハードウエアを個別に売る従来型のビジネスから、クラウドシフトなどを通じてDXを推進し新しい価値の創出につなげるビジネスへの転換が進むと予測。「新しいDXの領域にリソースをシフトチェンジし、キャッチアップしたい」と意欲を示した。

 具体的には、「官公庁向けDXソリューション」として体系化。各省庁の目的やセキュリティーの要件に合わせて、安全面を考慮しながら短期間で柔軟にクラウド環境に移行できるようにした。

 企業や組織が自社内に構築するクラウド環境「プライベートクラウド」と、不特定多数に向けて開かれた「パブリッククラウド」を効率よくシームレスに使えるようにする機能の開発にも注力する。

 日本政府は「デジタル敗戦」の汚名を返上しようと、昨年9月にデジタル政策の司令塔を担うデジタル庁を創設。昨年12月には閣議で、デジタル社会の形成に向けた道筋を示す「重点計画」を決定。官民一体でデジタル技術やデータを徹底的に活用する機運が高まる方向にある。NEC以外のIT各社もこうした動きを追い風に相次ぎDX支援ののろしを上げている。行政DXを巡る各社の提案競争は、一段と熱を帯びそうだ。