2022.03.03 【コネクター技術特集】コネクター技術 一段と高度化、高速・大容量や大電流対応が進む
車載用高速伝送対応フローティングタイプ基板対基板コネクター(日本航空電子工業)
電子機器・装置の小型・高機能・高性能化に伴い、コネクター技術が一層高度化している。車載用では、ADAS/自動運転やxEVなどの領域向けの技術開発が活発。民生・モバイル機器向けは、5Gスマートフォンやウエアラブル端末向けの小型・高性能コネクター開発が進展している。産機・インフラ用は、高速大容量伝送対応や大電流/高耐圧対応、耐環境対応の新製品開発が進む。医療機器/ヘルスケア関連や、4K/8K画像機器向けなどの技術開発にも力が注がれている。
モバイル端末用コネクター
モバイル端末向けコネクターでは、5Gスマホ向けの小型・高性能コネクターや、ワイヤレスイヤホンをはじめとするウエアラブル機器向けの超小型コネクターなどの開発が活発。さらに、ミリ波対応スマホに照準を合わせた高速伝送対応製品の開発にも力が注がれている。
スマホ内部で多用される基板対基板コネクターは、0.35ミリピッチの超ファインピッチ品の拡充が進展。より狭ピッチの0.3ミリピッチ基板対基板コネクターの開発、量産化も進んでいる。ウエアラブル機器用では、0.35ミリピッチ基板対基板コネクターの小極タイプなどが開発されている。最大15Aの電源供給に対応するモバイル機器向けバッテリー接続用コネクターなども製品化されている。インターフェース用は、USBタイプC対応品のバラエティー拡充が活発。急速充電ニーズに対応するUSB PD(パワーデリバリー)への対応も進んでいる。
車載電装用コネクター
車載用コネクターは、車の高機能化や電動化を背景に、年々需要が増加している。特に近年は、ADAS/自動運転技術の高度化により、車載カメラ用やミリ波レーダー/LiDAR用などの安全系コネクターの需要が広がっている。
車載カメラ用は、パーキングアシスト用カメラに加え、デジタルセンシングカメラ向けの技術開発が活発。1.2/2メガピクセルなどの高画素カメラで撮影した画像データを瞬時に伝送できる製品の開発に力が注がれる。高速伝送要求に対応し、車載イーサネットコネクター開発も活発化している。
xEV用では、車載インバーターや車載モーター、バッテリー周りに使用される大電流/高耐圧対応製品の開発が活発。
エンジンルーム周辺などでの使用用途向けに、125度/150度対応などの高耐熱FPCコネクターも開発されている。走行時の厳しい振動環境に対応するため、車載用フローティングコネクターの開発も活発化しており、Z軸可動フローティングコネクターも実用化されている。
産業機器/インフラ向けコネクター
産業機器/製造装置や産業用ロボットなどでは、付加価値の高い産機系コネクターが多用される。各社は、これらに照準を合わせ、小型・軽量かつ高品質・高信頼性の産業用防水コネクターや高速光コネクションの開発に力を注いでいる。
電源用コネクターでは、200A/250A対応などの大電流対応の開発が活発。電気設備工事などでの熟練工不足などに対処するため、現場作業性に優れた製品開発も重視されている。
テレコム/データコム用コネクター
テレコム/データコム分野向けでは、HPC(ハイパフォーマンスコンピューター)やサーバー、次世代ストレージなどの用途向けに、112ギガbpsや56ギガbps、28ギガbpsなどの超高速伝送に対応したハイスピードコネクターや高速バックプレーンシステム、高速光コネクションなどの開発が活発だ。