2022.03.08 太陽光発電協会 21年度3Qの太陽電池出荷住宅用など堅調、一部で納入に遅れも

発電事業用は不調だった太陽電池モジュール

 太陽光発電協会は、2021年度第3四半期(3Q、21年10~12月)の太陽電池出荷統計をまとめ、発表した。太陽電池モジュールの総出荷量は前年同期比98%の1323MWと微減だったものの、そのうち国内出荷量は同101%の1309MWと微増。住宅用や、オフィスなどに設置する500kW未満の一般事業用が堅調で、全体ではほぼ横ばいとなった。

 調査は、同協会などが33社に協力依頼を行い、26社から回答を得てデータをまとめた。

 国内出荷量(1309MW)を用途別で見ると、住宅用が同105%の261MW。オフィスや工場のほか病院、学校といった公共施設などに設置する500kW未満の「一般事業」用が同110%の339MWだった。いずれも前年同期より出荷量を伸ばした。

 一方、売電を主な目的とする出力500kW以上の大規模装置向けの「発電事業」用は、同96%の709MWとなった。そのため、全体の8割を占める非住宅用は、前年同期から横ばいにとどまった。

 日本企業だけに絞ってみると、総出荷量は571MWで同94%と落ち込みが目立つ。うち国内出荷量は557MWで同101%に持ち直す。

 国内出荷を用途別で見ると、住宅用が186MWで同105%と堅調。非住宅では、一般事業用が129MWで同124%だったのに対し、発電事業用が241MWで同88%にとどまり、好不調が大きく分かれる傾向が出た。

 太陽光発電協会は「中国の電力不足などで材料の生産量が落ち込み、パネル価格が上がっている。そのため、納入が遅れている事情があり、(発電事業用など)一部で出荷量に影響が出ている可能性は大きい」と指摘。ただ、「長期的にみれば、国の制度改変により、一般事業用のうち低圧案件で出荷量が減ってくる傾向が続く」とした。