2022.03.24 東芝分割、臨時株主総会で否決戦略見直しを求める意見相次ぐ

東芝の臨時株主総会会場に向かう人たち=24日、東京都新宿区

東芝の臨時株主総会会場=24日、東京都新宿区東芝の臨時株主総会会場=24日、東京都新宿区

 東芝が24日に東京都内で開いた臨時株主総会で、グループ全体を2分割する会社提案が反対多数で否決された。議決に法的な拘束力はないものの、分割計画に反対する株主側の勢いが増す可能性は高く、同社が目指す戦略的再編は大幅な軌道修正を迫られそうだ。

 総会には、海外ファンドなど「物言う株主」が事前に反対を表明していた会社提案のほか、株式の非公開化を含む戦略の再検討を求める株主提案の議案も諮られ、否決された。

 企業価値の向上に向けて同社は昨年11月、グループを3分割する計画を発表したが、株主の反発を受けて今年2月に2分割案に修正。半導体などの「デバイス」を2023年度下期に分離・上場させる一方、「インフラサービス」は東芝本体に残すことにした。経営の混乱を受けて今月1日にはトップ交代を発表し、新布陣でステークホルダー(利害関係者)との間に強固な信頼関係を築く姿勢を印象付けた。

 元東芝技術者という株主ら14人が質問。「分割でない新たな道を探ってほしい」「部門連携を図った新たな仕組みを考えるべき」など戦略の見直しを求める意見が相次いだ。社長に就任したばかりの島田太郎氏は株主の声を踏まえ、「企業価値の向上のためにあらゆる戦略的選択肢の検討を行う」と述べた。
(25日付電波新聞デジタルで詳報します)