2022.03.25 ドコモがJTOWERに譲渡通信鉄塔最大6002基を1062億円で

対象鉄塔のイメージ

 NTTドコモとJTOWERは25日、既存通信鉄塔のインフラシェアリングに向け基本契約を締結したと発表した。ドコモは保有する通信鉄塔最大6002基を1062億円でJTOWERに譲渡した上で、これを借り受ける。条件が整った鉄塔から順次、引き渡しを行っていく。

 JTOWERは、通信事業者が保有する既存通信鉄塔の買い取りと、鉄塔への事業者誘致・シェアリング促進(カーブアウト)を重要な成長戦略の一つと位置付けており、今回の取引でタワーシェアリング会社としての事業基盤が大きく拡大する。

 今回取得した鉄塔についてはドコモに貸し出すとともに、他の携帯キャリアを含む通信事業者に向けた新規利用の誘致を強化する。これにより利用事業者の設備投資と運用コストの効率化を実現し、5G(第5世代移動通信規格)ネットワークの早期整備を促進。さらに既存インフラを有効活用することで、環境負荷の軽減にもつなげる。

 ドコモはインフラシェアリングの推進で経済的な5Gネットワーク構築に取り組んでおり、今回の取引でさらなる設備運用の効率化が可能になるとしている。NTTグループは保有資産の圧縮を進めている。2021年7月にはNTT西日本が71基、今月半ばにはNTT東日本が136基の通信鉄塔をそれぞれJTOWERに売却する方針を明らかにした。