2009年、愛する人を戦況が激化するアフガニスタンへ見送り、その帰りを待ちながらイギリス軍基地で暮らす女性たちが合唱団を結成した。BBCの人気テレビ番組「The Choir」でも特集された“軍人の妻"合唱団の実話を「フル・モンティ」（1997年）のピーター・カッタネオ監督が映画化した。

　最悪の知らせが届くことを恐れながら軍基地で暮らす妻たち。そんな女性を元気づけ、共に苦難を乗り越えるための努力を惜しまない大佐の妻ケイト（クリスティン・スコット・トーマス）と、女性たちのまとめ役リサ(シャロン・ホーガン)。2人は時にぶつかりながら、仲間として互いを認めていく。心が一つになっていくにつれ、次第に美しい歌声を響かせるようになった合唱団。毎年大規模に行われる戦没者追悼イベントのステージへの招待状が届く――。

　戦争がもたらすつらい現実の中、前向きに歌う姿に、思わず笑顔になる。劇中に登場する、80年代を中心とした有名ポップソングも聞きどころだ。

　20日からヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国で順次公開。