2022.07.08 【電子部品技術総合特集】メイコー片桐保行執行役員技術本部本部長
片桐 執行役員
車載や通信機器に最適なプリント配線板技術を開発
メイコーは、プリント配線板の設計・製造技術を軸に、EMSやロボット・FAシステム・映像機器の設計・開発・製造なども手掛け、総合プリント配線板メーカーとして業容を拡大している。
各用途別に最適なプリント配線板技術の開発を行い、「車載は①高密度・高周波対応②小型化③放熱対応などに重点を置いた技術開発・提案を行っている」(片桐保行技術本部長)。
高密度・高周波対応では、将来の電子制御ユニットのドメイン統合型ECUシフトに照準を合わせ、3段ビルドアップ基板やエニーレイヤー基板など開発を強化。高周波対応へ材料見直しも進める。
小型化では、FR-4フレックスによる折り曲げ、小型・省スペース対応や、部品内蔵基板による配線面積削減提案などを進める。
放熱対応では、車の高機能化や大電流化に伴う放熱要求の高まりに対応する各種放熱基板製品を品ぞろえ。電流配線層を厚銅化した厚銅基板による大電流対応や、放熱性に優れる銅インレイ基板、選択スルーホールメッキ厚付けによる放熱を行うメガスルホール基板、金属ベース構造での放熱を行うメタルベース基板など多彩な製品・技術を揃えている。
通信機器は、主力のスマートフォン用マザーボード基板では、10層2段以上のビルドアップ基板や10層エニーレイヤー基板などを製造。通信モジュール基板やメモリーパッケージ基板の量産に対し、L/S=30マイクロメートル/30マイクロメートル以下の微細パターン化が可能なMSAP工法も導入済み。石巻第2工場ではSAP工法導入も進め、FC-BGA基板の量産に向けた開発を推進し、次世代端末に向けファイン化を追求する。
片桐技術本部長はスマホ用基板事業の強みについて、「高い納入実績をベースに、顧客の開発段階から先行情報を入手し、先端製品の先行開発を行っている。各工場は自動化され、高品質の製品を安定供給できる」と説明する。
新規サービスとして「高周波測定受託サービス」も開始。最大測定周波数110ギガヘルツの測定システムを導入し、材料特性や配線パターン伝送特性の測定を開始。コア技術の基板製造と高周波測定に設計・シミュレーションや基板分析を加え、垂直統合の技術とサービスを顧客へ提供する。