2022.07.22 【家電流通総合特集】家電製品協会認定センター「家電製品アドバイザー」「家電製品エンジニア」「スマートマスター」3資格制度に注力

テストセンター内のパソコンブース

西崎 センター長西崎 センター長

プロフェッショナルを育成

 家電製品協会認定センターは、家電業界の基盤となる人材育成のための資格制度「家電製品アドバイザー」と「家電製品エンジニア」、スマートハウスを普及促進する人材育成が目的の「スマートマスター」を通し、プロフェッショナルの育成に取り組む。

 第43回資格認定試験の受験申請受け付けは7月20日~8月10日、試験は9月1~14日に実施される。

 認定センターでは2020年9月の認定試験以降、受験者の安全確保と安定した試験開催などの観点から、CBT(Computer Based Testing)方式の試験を導入した。試験期間中の希望する日時・場所で試験が受けられるとあって、受験者の約9割が満足しているという。導入以来5回目となる今回も、全国約300カ所のCBT試験会場で同方式による試験が行われる。

 西崎義信センター長は「コロナ禍ではあるが、今年は梅雨明けも早く、夏商戦では省エネ機器を求めて店舗がにぎわうだろう。これまで以上に接客力が店舗の競争力になる。従業員のスキル向上に資格制度を活用してもらいたい」と話す。

 家電製品アドバイザーと家電製品エンジニアには、エグゼクティブ等級としてゴールドとプラチナグレードがある。これらは高得点で合格した人に与えられる特別称号であり、消費者にとって「最も信頼できるプロ人材」の証となる。家電販売従事者のモチベーション向上にも一役買っている。

 「IoTやAI(人工知能)技術が進化し、製品や法律なども年々変化している。最新情報を織り込み、年に1回テキストを発刊して対応している」(西崎センター長)。また、試験の実施だけではなく、認定センターのホームページでは、資格保有者のみが閲覧できる専用ページで保有資格のテキストを公開し、資格を取得した後も自主的に情報を更新できるようサポートしている。

 各資格の有効期間は交付日から5年間となっている。スマートマスターは16年に初交付を行ったので昨年初めて更新タイミングが訪れ、資格保有者の大半が更新した。同じく16年には家電製品アドバイザーと家電製品エンジニアの更新制度に電子方式を導入した。今年11月1日付の資格更新申請分からは紙方式を廃止して完全電子化する。これに伴い、更新料を400~700円値下げする。

 西崎センター長は「16年以降、着々と電子化を進めた結果、移行準備が整った。電子方式への一本化によりコストが低減される。その分を更新者に還元したい」と説明する。

 既にホームページでは3回にわたって告知し、次回の更新対象者にメールも発信した。さらにDMも郵送することで、全更新対象者に対して電子化への理解・協力を要請する。

 今後もこれら資格の存在を一般に広く周知していく。認知されることによって資格の価値が上がり、さらに業界の発展にもつながる。幅広い世代への訴求活動に積極的に取り組む。