2022.07.28 【ケーブル技術ショー特集】住友電気工業ライブ配信システムを進化、音声対応機能を追加

進化したライブ配信システムのTOP

ARを用いたCATV機器保守サポートの例ARを用いたCATV機器保守サポートの例

 住友電気工業は、「The future starts today~地域を活かす、未来をつくる、ケーブル原動力~」をコンセプトに、高度化対応デジタルヘッドエンド(HE)やFTTH、IP放送関連のセンター装置、STBなど、ケーブルテレビ(CATV)関連製品・システムに加え、新しい試みとして、新技術の取組みなどを幅広く展示する。

 デジタルHE関連では、高度化対応HE「FLEXCITERシリーズ」や高度ケーブルローカル自主スクランブル装置に加え、新たな取り組みとして昨年初披露したHybridcastで防災用IPカメラ映像などを提供する「ライブ配信システム」を進化させた形で展示。

 ライブ配信システムは、防災向けシステムとして映像のみ対応していたが、今年は音声対応機能を追加。映像と音声に対応することで、防災のみならず、コミュニティーチャンネルのライブ配信、観光地やショップなどの地域情報、施設やイベントなどの関連情報、避難所や病院などの防犯カメラ配信、校門や高齢者宅の見守りなど、日常的なさまざまなシーンにも対応できる仕組みで展開し、さらなる需要拡大を狙う考えだ。

 地上デジタル自主放送一体型センター装置は、新たに送出機能が追加された。地上波ではすでに行っている字幕付与の数値目標設定がCATVのコミュニティーチャンネルでも検討されている。その中、総務省での字幕番組普及の動きに合わせて、昨年末に機能追加を行った。

 11月のInterBEEでは、AIによるリアルタイム自動字幕に対応したシステムで展示する予定だ。

 FTTH関連では、増大するトラフィック対応に向けた10GE-PONシステムではOLT(局側装置)とONU(宅内装置)、G-EPON管理サーバー「GPMS3000」を紹介。今後さらに高まるトラフィック需要を支えることが期待される。

 また、開発中の「OLT冗長用光スイッチ」を参考出展。OLTからの光信号を監視し、PONカード、光リンクのどちらで障害が発生しても自動で瞬時に冗長系へ切り替える。今年度中に製品化を目指す。ブースでは同スイッチの切り換えのデモを予定。

 さらに、ホームゲートウェイ、集合住宅向け通信高速化ソリューション「Remote-MACPHY」も展示。

 STB関連では、JDSとJCCの両プラットフォームに対応したアンドロイドタイプのモデル「多チャンネルサービスIP放送対応STB」と、2台目のSTBとして昨年開発され、今年UI (ユーザーインターフェース)の操作性を強化した「シンプルSTB」(参考出展)を披露し、CATV事業者のニーズを見極める考えだ。

 運用支援サービスとして、同社の保守会社のブロードネットマックスと研究開発部門とのコラボによるAR(拡張現実)を用いたCATV機器保守サポートを参考出展。HE周辺設備の保守点検などをリモートで行うサービスで、スマートフォンやタブレット端末を活用し、遠隔地からも映像を確認し適切なサポートができるシステム。これにより、迅速な対応やサポート体制強化などが期待できる。

 今年は新しい試みとして、研究開発部門が開発中の新技術への取り組みを紹介。キャリア向け「次世代イーサネット装置」やローカル5Gを活用した「産業用SA対応5G端末」と、要素技術として「ポスト5G/6G向けアナログRoF(Radio-over-Fiber)」や25ギガbpsアクセス向け通信技術「XR Optics」を参考出展。CATV事業者にも役に立てる技術としてアピールする。