2022.08.03 【コネクター総合特集】イリソ電子工業BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」作業性・信頼性向上

 イリソ電子工業は自動車市場や産機市場、コンシューマー市場を事業拡大に向けた柱とし、積極的な新製品開発と生産・販売体制の強化を図っている。

 自動車市場では、AVNに加えて車載電装分野でも高い技術力が評価され、新製品のスペックインが活発だ。産機向けは第2の柱として確立させる。

 独自のフローティングテクノロジーを採用した3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を拡充。接点が固定されたままZ軸が可動する構造で、耐振動性、耐衝撃性に優れる。振動(共振)・衝撃によるはんだ付け部のストレスを緩和。作業性、信頼性を大幅に高めた。

 新製品開発では、パワートレイン用高電流コネクターや高速伝送用コネクターの開発に注力している。パワートレイン系では「3次元可動BtoBコネクター」と「振動シミュレーションサービス」を組み合わせた「耐振ソリューション」を展開。振動シミュレーションサービスで顧客機器の耐振性を評価し、問題点の早期把握と対策の提案を行い、高評価を得ている。

 高速伝送対応では、25ギガbps対応0.5ミリピッチフローティングコネクター「10143シリーズ」を開発。X-Y方向に0.8ミリメートル可動する(Z方向はプラスマイナス0.5ミリメートルを嵌合長で吸収)。大きな可動域ながら、BtoBコネクター史上最高クラスの高速伝送が可能となった。固定金具機能を兼ねた電源用端子をコネクター両端に搭載している。

 同社はBCP(事業継続計画)対応を強化し、在庫体制の見直しを完了。スペア設備の配置やマルチ生産体制化の拡充も進める。その一環として秋田県横手市に新工場を建設。2023年度着工、25年操業を予定する。