2022.08.03 【コネクター総合特集】携帯端末用コネクター次世代端末向けなど開発推進、小型・高性能化に対応
携帯機器向け5Gミリ波アンテナモジュール用コネクター
コネクターメーカー各社は、スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル機器などの高機能携帯端末向けの小型・高性能コネクターの開発に力を注いでいる。
最近の世界のスマホ市場では、第5世代移動通信規格5G化を背景に、端末の高機能化が進む。さらに、ハイエンド機種を中心に、ミリ波対応スマホの市場も本格化していく見通しだ。
5G化による端末の高機能化は、接続ポイントの増加を促し、同時に機器内部の高密度実装化が一段と進むことから、内部搭載部品への小型化要求は一層強まっている。電流容量増大への対応や完全防水へのニーズも強い。各社はこれらを踏まえ、5G端末向けの内部接続用やインターフェース用、大電流対応などの開発を活発化させている。
内部接続用では、基板対基板コネクターや、FPC接続用コネクターの一層の小型化・低背化・省スペース化が進む。基板対基板用は0.4/0.35ミリピッチといった狭ピッチ品のバリエーション拡充が進み、嵌合(かんごう)高さ0.5ミリメートルの超低背構造の0.4/0.35ミリピッチ基板対基板コネクターなどが開発されている。よりファインピッチの0.3ミリピッチ基板対基板コネクターも一部のスマホなどで実用化された。
FPC接続用は、0.3ミリピッチFPCコネクターの低背化や、省スペース化の追及とともに、より狭ピッチの0.25/0.2ミリピッチ品の開発も進展。千鳥形状の0.175ミリピッチFPCコネクター開発なども進んでいる。
5Gスマホ向けでは、マルチRF対応の基板対基板コネクターによる、セットの小型化と生産性向上などが提案されている。
最近のスマホは内蔵バッテリーが大容量化し、占有面積が増加しているため、電池以外の端末内蔵部品では小型化の要求が一層強まっている。コネクターの狭ピッチ・低背・省スペース化では接触信頼性、機械的強度、作業性などの面で従来品と同等性能を確保できる設計が不可欠だ。
スマホ向けデジタルインターフェース用は、急速充電用の給電規格「USB PD(パワーデリバリー)」対応や、高速規格「USB3.0(最大データ転送速度5ギガbps)/3.1(同10ギガbps)」対応の製品開発が進む。USB Type-Cは、最大10ギガbpsの高速伝送対応、最大5Aの大電流供給、リバーシブル嵌合などが特徴で、さまざまな機器での搭載が増加している。
ウエアラブル機器用は、スマートウオッチやワイヤレスイヤホン向けに超小型・少極コネクターなどの開発が進んでいる。また、スマート衣料向けコネクターなども製品化されている。