2022.08.03 【コネクター総合特集】産業機器用コネクター多極化・高性能化に注力、防水丸型タイプなどを提案
150度対応高温用コネクター
コネクター各社は、FA機器/工作機械や半導体製造装置、産業用ロボット、5G通信基地局、サーバー/データセンター、4K/8K画像システム、監視カメラ/セキュリティー機器など、各種産業機器用コネクターの開発に注力している。
製造装置や工作機械、産業用ロボット用のインターフェースコネクターは、マシンの小型・高性能化に対応するため、小型・堅ろう・長寿命・高速通信対応などが重視される。加えて、スマートファクトリー化やIoT化で機器間通信の高速化、多機能化ニーズが強まり、一層の多極化や高性能化が求められている。
産機用丸型コネクターはワンタッチロック嵌合(かんごう)方式の防水丸型タイプなどの提案が進む。ワンタッチロックで嵌合操作性に優れ、経年変化によるねじ緩みも解消されるため、信頼性やメンテナンス性の向上に貢献する。汎用(はんよう)RJ45ジャックと比べ、レセプタクル体積を大幅削減するワンタッチ完全ロック式の産業機器向けインターフェースコネクターなども開発された。
5G通信基地局用では、防水小型光インターフェースや高周波同軸コネクター、放熱ニーズに対応するFAN用フローティングコネクターなどが提案されている。
産業機器向けの電源コネクターは、200A/250Aなどの大電流対応品や、従来品と同等の電気容量に対応しながらも小型化した製品開発などが進む。安全性向上のため、堅ろう性や防水性も重視される。
産業機器向けのフローティングコネクター開発も進んでいる。高速シリアル信号伝送が可能な高速伝送対応0.5ミリピッチフローティングコネクターや、狭ピッチを追求した0.4ミリピッチフローティングコネクターなどが製品化され、多様な取り付けニーズへの対応や極数展開が進む。通信インフラ用は、次世代大容量高速通信インフラ向けに、112/56ギガbps対応などのハイスピードコネクターや高速バックプレーン、高速光コネクションなどの開発が活発となっている。
EV充電インフラ向けのEV充放電用コネクターでは、各種規格への対応とともに、軽量化や取り扱い性を向上させた新製品開発が進む。
4K/8K放送機器用は、12G-SDI伝送対応BNC同軸コネクターや、高速光コネクションの開発が進展。8Kの機器間接続には数多くの同軸コネクターが必要だが、これを代替するためにU-SDI対応多芯光ケーブルによる一括接続が提案され、一部で実用化されている。石英ファイバーに加え、強じん性や施工性、安全性に優れるプラスチックファイバーによる光コネクター開発も進んでいる。
医療機器では、MRI、CTなどの画像診断装置向けに高速伝送用コネクターが使用されている。