2022.08.03 磁力発生・消去を瞬間にできるデバイス東大阪のオンリーワン企業が手掛ける

SH-50B、SH-30B、SH-20B(写真左から)

 ものづくり企業の集積する東大阪。技術力で定評のある下西技研工業は、瞬間通電で強力な磁力発生/磁力消去ができるアタッチメントデバイス「スイッチングマグホルダー」について、バリエーションを拡充し、提案を強化している。産業向けのヒンジなどで世界的シェアも持つ企業で、磁気関連もさらなる成長を見込んでいる。小型でも、550ニュートンの吸着力などを実現。省エネや生産設備のラインの自由度向上などにも寄与する点を訴求する。

 このスイッチングマグホルダーは、保磁力の高い永久磁石と保磁力の低い永久磁石の2種類の永久磁石を金属ケースに組み込み、保磁力の低い永久磁石に0.1秒といった瞬間的に通電して磁化方向を変え、吸着力のオン/オフを切り替える構造。

 一般的なこうしたデバイスでは、吸着力を維持させるため電気を通し続ける必要がある。同社の製品では瞬間的な通電で吸着力のオン・オフを切り替えられ、電力使用量を9割以上減らし、ほぼゼロに近くできる。停電時でも機能が維持できる。薄型・小型、高い吸着力、省電力に加え、通電前は自由に扱えて、位置決めが容易で取り扱いやすいとった特長もある。

 オンリーワン製品として、幅広い顧客ニーズに提起している。幸い好評で、従来のバリエーションを拡充。無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)の台車連結、ロボットハンドなどFA機器、電線の敷設作業、医療、林業など幅広い用途が見込まれる。

 今後、搬送用のドローンへの展開も特に期待している。無人のドローンから無人の配送ロボットへ、といったシームレスな対応もしやすくなりそうだ。また、飛行時の重量軽減に寄与し、航続距離を伸ばしたり、荷物の荷重を優先したりすることができるほか、飛行中の荷物保持に電力を使わず、省エネでもある。

(4日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)