2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】富士通コミュニケーションサービス・金井美紀和社長CXソリューション、価格など見える化へ

 主力のコンタクトセンター事業は、顧客企業に寄り添い付加価値の高いサービスを提供していることが強みで、数年来、顧客接点をよりよくするカスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値=CX)向上に取り組んできている。コロナ禍で市場環境が変わる中、企業が求める顧客接点の在り方やサービスレベルに対応した支援をしたい。

 テレワークの導入が進み、企業と顧客との接点が変わりつつある中では、企業活動を止めずに新たな顧客接点への対応が不可欠になる。当社もコロナ禍で業務を止めずに、安全にセンター運用できるようテレワーク化を推進。コンタクトセンサー基盤のクラウド化を進めている。これにより当社社員も柔軟な働き方ができるだけでなく、顧客の業務に柔軟に対応できる。双方が安全で効果的な業務運用ができると見ている。

 これまで進めてきたCXの取り組みは、さらに加速させる。当社ノウハウを生かして28のソリューションに体系化した「デザイン・フォー・CX」も引き合いが多い。企業にとっても自社の顧客が新しい体験を求めるようになっているため、「カスタマージャーニー」(顧客が製品やサービスの購入に至るまでの過程)を模索し始めている。この要望に寄り添いながら支援したい。さらに、今年度はソリューション群の価格など、サービス内容を見える化して、顧客企業に対し、分かりやすく示せるようオファリング化したい。

 この数年は顧客の期待を裏切る体験となる〝痛点〟を見つけ出すことに着目してきた。昨年は人工知能(AI)を活用して顧客体験の痛点を分析する「痛点発見支援ツール」を開発。このツールを各事業領域に展開し、今までにないCXの提案をしていく計画だ。同時にCX人財の育成を加速する。CX研修がスタートし、10人が終えた。現在も10人が研修中で、この先も人財育成を強化していく。

 2021年度は、付加価値の高いサービス提案に取り組み営業利益は過去最高を更新した。22年度も増収増益を計画し、当社の人財力と提供できる価値を発信したい。