2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】NECソリューションイノベータ・石井力社長クラウドシフト需要を追い風に

 クラウドシフトのデマンドが強く、事業の中心領域で追い風が吹いている。ハードが入らないので全体のシステムが遅れることはあるものの、半導体不足の直接的な影響は軽微だ。クラウド関連事業の2021年度の売上高は18年度から35%増加した。

 注力分野である「ヘルスケア」「スマートシティー」「ワークスタイル」の3事業が順調に推移している。

 ヘルスケア分野では、血中タンパク質の測定技術を持つ米ソマロジックと提携して立ち上げたデジタルヘルスケアサービス「フォーネスビジュアス」を柱に事業展開を進めている。血液のタンパク質の成分から、がんのリスクを推定し、将来の病気の可能性やリスクを予測。現在の健康状態の推計結果とともに、一人一人の健康改善にデータを活用し、人工知能(AI)を活用したデータ解析から未病や行動変容につなげていく。

 人口減に伴い自治体の税収減が見込まれる中、スマートシティーも重要なテーマだ。約20万人の自治体で600億円規模の予算が使われているが、年度末に急増する道路工事も含め、適正な配分を支援したい。予算執行のプロセス改革を、デジタル化に向けた25の施策として打ち出していこうと考えている。検証の結果では約20億円の効果が見込まれており、モデル化して都市経営の最適化を図っていきたい。

 今年は新卒と中途を合わせて約700人は採用できる見通しだ。ただ、優秀な人材を確保するためには企業のブランド力を上げていくのが絶対条件。地元に貢献したい学生も増えているので、全国に37ある拠点網を生かし、ローカル採用も含め、働き方を採用から考えていく必要がある。

 企業風土の改革にも力を入れていきたい。親会社のNECとの関係は発注者と受託者の関係で、文化そのものが受け身だった。受動から能動へと体質を変えていく必要がある。多岐にわたる業種領域と全国の拠点網を生かし、マーケットに直接ビジネスを仕掛ける自主事業の割合を増やしていくことで、人員構成も含めて良い循環が生まれるだろう。