ICT市場は、製造業のDX案件、金融業でもクラウドサービスを活用した新たな付加価値サービスが本格化、全般的に堅調に推移している。一方、急速な円高や部材不足、さらにIT人材不足などが表面化し、案件、需要に十分に対応できていない。

　こうした中、当社の2022年度上期は、ほぼ計画通り増収増益で推移している。

　当社は、金融業、製造業、サービス業を中心に事業展開している。金融業界は、IT投資を従来のネットワーク、セキュリティー中心から周辺の業務系にシフトしている。当社は「電話発信認証サービスTELEO（テレオ）」を提供。電話をかけるだけで、簡単に本人認証ができるクラウドサービスとして金融機関などで好評だ。コンプライアンスの面からも音声認識ニーズはかなり強い。特にクラウドを活用した業務アプリケーションの引き合いが活発。

　金融業界向けには、クラウドベンダーのスカイアーチネットワークスと協業した「AWS導入支援オールインワンサービス」、Teams録音サービス「nokos（ノコス）」、Webサービス利用者のID統合認証サービス「MistyAuth（ミスティ・オース）」などを提供している。

　製造業のDX案件が活発で、投資も上向いている。特にSAP S／4HANAへの移行案件は、非常に好調で、人材の対応に追われている。製造業のIT投資は、製造現場のデータと基幹系を連携させ、品質分析などに反映させる需要が拡大している。カーボンニュートラルと組み合わせたエネルギーマネージメントなどの引き合いも多く、今後、強化していく。

　サービス業は、まだまだ厳しい環境が続いているが、AI、赤外線センサーを活用した映像解析ソリューション「kizkia（キヅキア）」など新しい価値の提供に注力している。

　キヅキアは、交通系、介護分野に加え、金融にも拡大していく。

　当社は、金融、製造業を中心にSI型の事業展開に強みを持っているが、今後は対象業種の拡大や業種をまたがるソリューションも強化する。