河野太郎デジタル相は、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性について知らせるスマートフォンのアプリ「COCOA（ココア）」の機能を停止する方針を示した。13日に開いた閣議後記者会見で、明らかにした。感染者の「全数把握」を見直す政府の方針を受けて、機能停止が必要と判断した。

　会見で河野デジタル相は「ココアを活用する前提が変わるので、ココアの機能停止になると思う」と説明した。具体的なスケジュールが決まった段階で、アンインストールや停止などの告知を行いたい考えだ。アプリ利用者を対象としたアンケートを行うことも視野に入れている。

　さらに河野デジタル相は、ココアの効果や問題点について総括する必要性も強調。「ココアはスタートからボタンの掛け違いがあったと認識している。お手盛りでない総括をしっかりとして、次のパンデミック（世界的流行）につないでいくことをやらなければいけない」と述べた。

　ココアはスマホのブルートゥース（近距離無線通信）機能を用いたアプリで、プライバシーを確保しながら陽性者と接触した可能性について通知を受け取れるようにする。感染症対策の切り札として2020年6月に運用が始まったが、不具合が続発した。厚生労働省によると、今年8月末までのダウンロード数は約4026万件という。