2022.09.28 ボルボに子どもの置き去り防止を装備 アルプスアルパイン提供 呼吸検知、施錠防ぐなど

 ボルボが近く発売予定のEVに、アルプスアルパインの協力で、子どもの置き去りなどを防ぐ安全システムが標準装備されることになった。両社が28日までに明らかにした。センサーを利用し、異常を検知する。日本の得意とする電子部品・センサーの力で、子どもの安全を守る形だ。

 装備されるのは、ボルボのフラッグシップとして11月に公開予定の「EX90」。子どもが車内に放置されて熱中症になったり、寒冷地で低体温症になったりして死亡する事件・事故は、欧米でも多数発生して問題になっている。

 アルプスアルパインなどが提供する安全システムでは、例えば車室の天井にレーダーを置き、子どもの呼吸による胸の動きも検知。中に人やペットなどがいれば、運転手が車から離れてドアにカギをかけることができないようにできる。

 また、万一置き去りになっても、EVの電池の容量を生かして、空調を動かし、熱中症や低体温症を防げる。

 これと併せてボルボは、運転手支援のシステムも標準装備する。異なる角度からの2台のカメラなどを活用し、運転手の視線などを検知。運転手が眠気を感じたり、注意散漫になっていたりと、運転に最適ではない状態にあること判断すれば、それに対応してアラートなどを出す。また運転手の手がハンドルから離れていないか検知もできる。これらを組み合わせ、例えば、次第に音が大きくなる警告信号を出したり、それでも運転手からの反応がない場合、車は路肩に止め、ハザードを出すといったことができる。

 アルプスアルパインは、車内の見守りに関連した技術を、10月開催の国際展示会「CEATEC 2022」でも紹介する。

(29日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)