2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】オータックスエレクトロニクス(タイランド)(オータックス) 中国からシフト、タイ工場増設へ
富田 社長
オータックスは、ASEANでは、タイ工場とマレーシア工場の2工場を展開している。現地生産拡大と現地ビジネス拡大、中国工場からの一部生産シフトなどのため、近くタイ工場の建屋増設に着工する計画。生産工程のさらなる自動化も推進する。
タイ工場「オータックスエレクトロニクス(タイランド)」は、エアコン用端子台を主力に、近年は操作用スイッチも生産し、年々実績を拡大している。今年も高水準の受注残に対応するため、フル操業を続けている。
同工場では、近く第2期の建屋増設に着手する計画で、既存工場(建屋面積3000平方メートル)と同じ敷地内に、建屋面積6000平方メートルの増設棟を建設する。富田周敬社長は「中国でのロックダウンなどのリスクを考慮し、安心できるサプライチェーンを構築するため、工場拡張を決めた。今後は、これまでの中国生産中心の体制からASEANシフトを進める。増設工事は10月位に着工、2023年8月ごろまでに完工したい。タイ工場拡張により、端子台や操作用スイッチの生産能力を高めるとともに、将来的にはタイでのDIPスイッチ生産やOEM生産なども検討する」と話す。
タイ工場の自動化も一層強化する。従来よりカメラによる自動検査など効率化のための自動化を進めてきたが「今後はさらに、組み立て、押印、検査を同一ラインで行える一気通貫ラインの構築など『少人数化』のための自動化を推進する」(富田社長)。加えて、タイ工場の管理体制も一層強化する方針。
一方、端子台やDIPスイッチを生産するマレーシア工場「オータックス マレーシア」でも、高水準の受注残に対応すべく、フル操業を継続する。
中国・深圳工場では、新たにビッグデータを活用してペーパーレスで生産工程を組める生産管理システムを自社開発した。「23年以降には、このシステムをタイ工場やマレーシア工場にも展開したい」(富田社長)。