2022.10.26 【計測展2022 OSAKA特集】東亜ディーケーケー ポータブル多項目水質計を紹介 初のIoT化に対応
有機汚濁モニターUV計「OPM-161L型」
東亜ディーケーケーは、ポータブル多項目水質計「WQC-40」を展示する。
河川や湖沼などの環境監視で現場に持ち運べる水質計として広く支持されてきた「WQC-24」の後継機種。1台で最大9項目を同時測定できる。
測定項目は標準でpH、電気伝導率、塩分、TDS(全溶存固形物量)、海水比重、濁度、温度。オプションで溶存酸素、ORP(酸化還元電位)、イオン、水深が追加できる。
電極を装着するポートをマルチポート化した。濁度、電気伝導率、温度が固定のセンサーユニットに加え、第1ポート、第2ポートにpH電極、ORP、イオン電極などを接続できる。
従来のRS-232Cに加え、制御機器「PLC」用の通信プロトコル「Modbus」にポータブル水質計として初めて対応し、IoT化にも対応した。
センサーモジュールで測定した水質データを、オプションのModbus電源ボックスからゲートウェイを経由してクラウドにデータを上げるなど、他拠点をつなぐ水質監視システムを構築できる。
水深は100メートルまで測定可能。工場や農場、養殖場での水質管理にも活用できる。
ユーザーの使用環境に合わせた水質監視システム構築の提案をし、採用実績を増やしていきたい考えだ。
有機汚濁モニターUV計「OPM-161L型」も出展する。
工場から川や海に排出されて汚れの原因となる有機汚濁をUV(紫外線)の吸光度から求める測定器。
工場の排水や廃液は河川などに放流する前に、中和処理をするが、UV計はその中和処理槽に据え置いて使用する。
試薬を使った通常の測定法では1回の測定で30分以上を要するが、OPM-161L型は現場に設置して排水の常時モニタリングを行い、COD(化学的酸素要求量)との相関で換算値の把握が可能だ。
光源をUVランプからLEDランプに変えた「水銀フリー」が特長。
水銀が含まれる製品をできる限り使わず、最終的に水銀が使われなくなる状態を目指す流れに対応。環境負荷を低減するとともに、ランニングコストの低減も実現できる。
UV計は水質総量規制に関わる汚濁負荷量の算出のため、東京湾や瀬戸内海といった閉鎖性水域に隣接した工場で長く実績がある。主に国内市場をターゲットにする。