2022.11.16 【高専制度創設60周年特集】アラムナイの創設へ 高専人会 渋谷修太代表理事に聞く
「高専に学んだ全ての方を対象としたアラムナイの創設」を掲げる「高専人会」が今年、立ち上がった。代表理事を務める渋谷修太氏(フラー代表取締役会長)に背景や目標を聞いた。
-若手中心で設立された背景を伺えますか。
渋谷代表理事 日本のものづくりを支えてきた高等専門学校制度が、現在改めて社会から見直され、その役割はさらに大きなものになってきている。そこで、全国全ての高専卒業生(50万人)が団結し、高専の価値をより一層高めていこうと、高専アラムナイ創設の機運が高まった。
日本中のどの高専を卒業しても「高専人」と呼称を統一し、各校の同窓会などと連携して、全卒業生50万人のネットワーク、高専人会を構築する。
目的は、高専の価値を高めるために、高専に学んだ全ての高専人の互助ネットワークを有形化し、継続性のある互助活動を実施すること。
そこでは▷教える者と学ぶ者との師弟の分を定めず、先に学んだ者が後で学ぼうとする者を教える、という考え方▷必ずしも年次や先輩・後輩の関係に依存せず、互いに学び、教えるという文化▷在学する全学生を「高専生」、全卒業生を「高専人」と呼び、互いに助け合う共有財産といった精神で進める。
-目指す活動は。
渋谷代表理事 高専の価値を高めるため何ができるかを考え、母校、高専制度への感謝の心を持って卒業生が団結することで、高専の価値をさらに高めていく。そのため、全ての高専人のネットワーキングが可能になるように進める。
例えば、名簿を整備して各種イベントなどを実施し、さまざまな経験を積んだ高専人同士がつながり、新たな価値を生んでいく。未来に向けて学び続けることができる環境など、高専の価値がさらに高まるさまざまなプロジェクトを企画・実施する。
-どういう効果が考えられるでしょう。
渋谷代表理事 卒業生からの寄付金収入を通じ、学校運営、施設設備拡充などの資金を確保。学校の付加価値を高めることにつなげる。奨学金制度、各種プログラムにも活用できる。
人脈構築・キャリア形成では、学校とOB・OGの関わりが深まることで卒業生名簿が充実し、学生がコンタクトしやすくなる。進路相談や研究の助けになるつながりを獲得。在学時では得られない人脈を構築できる。
研究者や社会人として、改めて高等専門学校と連携できる機会が得られる利点もある。
-仕組みとしては。
渋谷代表理事 各高専・高専機構・既存OB団体との連携を図り、高専発展のための活動を促進。名簿情報やイベントの相互集客・告知、学習機会、運営支援といったものを提供する。