2022.12.05 卵の殻から自動車内装品も? 「サーキュラー」経済が注目の展示会

白い部分がエッグシェルレザー

 カーボンニュートラル(脱炭素)へ、資源リサイクルを図る「リサイクリング・エコノミー」から、さらに踏み込んで生産・消費・リサイクルを循環させ、究極的にゼロ廃棄をめざす「サーキュラー・エコノミー」が本格化しつつある。その現場に触れることのできる見本市が今週、予定されている。関心を持つに人も、なじみのなかったがビジネスや研究のシーズを探す人にも必見になりそうだ。

 千葉の幕張メッセで7~9日開催の「高機能素材Week」(RX Japan主催)では、様々な先端材材などが披露され、中でも脱炭素関連の製品・技術(サステナブル材料、リサイクル機器、省エネなど)がトレンドになっている。

 注目の一つは、化学系材料の商社、オー・ジーが初公開する「エッグシェルレザー」。卵の殻を合成皮革の原料に再利用する。

 卵の殻はマヨネーズ工場などで多く発生する。1割ほどは肥料やグラウンドの白線用などに使われるが、ほとんどが廃棄され、工業用途は未開拓の分野だった。

 カステラ工場で大量に廃棄されるのを知ったのが開発の契機で、パートナーのメーカーに提案し、工場の特殊な加工技術を使うことで、合成皮革の原料として使うことに成功した。車載の素材や身の回り品などのアプリケーションを見込む。

 同展ではほかにも、深刻化する海洋プラに対応する製品、シール類の台紙の再活用、バイオマス関連など「サーキュラー・エコノミー」の最前線が披露される。

(6日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)