2022.12.07 【高機能素材Week特集】池上通信機 平面枚葉検査装置を展示 表面の微細な欠陥を画像処理技術で検出

平面枚葉検査装置「PIE-650M」

 池上通信機は、主力の映像機器に加え、産業分野での検査装置に力を入れている。強みを持つのは主に医薬品錠剤の検査とフィルムなどの外観検査だ。

 フィルムテックジャパンには、平面枚葉検査装置「PIE-650M」をメインに出展。アルミ箔(はく)やリチウムイオン電池に用いる銅箔などの金属箔、ガラス、不織布、紙などの表面の微細な欠陥をノウハウを持つ画像処理技術で検出する装置だ。

 金属箔は最終製品にするためにカットするが、その際に出る金属片は異物として付着し欠陥の要因になる。そのため、枚葉形状で検査をするニーズがあったものの従来は安定搬送に課題があった。

 シート表面検査装置「PIE-650」はロール状の対象物の傷や汚れ、しわを高速・正確に検出する機器。PIE-650Mはこれを基本としながら、カットした状態で検査が可能だ。

 今回、PIE-650Mに対象物を自動で供給する機能を備え、全自動搬送枚葉検査装置として展示する。

 装置への対象物の供給、検査、良品・不良品の仕分けという一連の工程をリニアモーター短軸ロボットを用いて全自動化。検査効率の向上と省人化のニーズに応えた。

 感度の適正な設定値を調整できるシミュレーション機能付き。ラインセンサーカメラを2台搭載し、検査ステージを往復させて、濃淡差の小さな欠陥まで高速に検出できる。

 検出精度は照明の当て方や角度が大きく左右する。対象物ごとに特徴的な反射の仕方などに対する独自の知見を生かし、1台で多様な欠陥検出に対応する。素材の品質管理だけでなく、出荷前検査にも利用できる装置で、歩留まり改善や製品品質の向上に寄与していく。