2022.12.16 「住民ドライバー」と来訪者が交流 「関係人口」作りにDXの実証 オムロン系など

「ミーモ」のサイトから

 オムロンの子会社、オムロン ソーシアルソリューションズは静岡県熱海市で、地域に関わる「関係人口」などを巻き込む共助とデジタルトランスフォーメーション(DX)のプラットフォーム作りを進めている。目玉は、地域の魅力を体感してもらう体験プログラムや、それと連動するMaaSの移動手段展開。

 地方都市では、少子高齢化や地域経済の停滞、コミュニティーの弱体化などから、産業の担い手が減少し、さらに自治体の「稼ぐ」力が低下するといった負のスパイラルが課題。すでにインフラやサービスが維持できない問題も顕在化している。

 一方で、リモートワーク普及によるワ―ケーションの高まりを受けて集まる関係人口が、地域のまちづくりでも、新たな担い手として注目されている。

 今夏の取り組みでは第1弾として、ワーケーションなどで地域を訪れたり、ゲストハウスに滞在したりする人々を対象に、machimoriと連携した体験プログラムを提供。その移動手段として、移動したい人と送迎可能な人をマッチングし、フィーと感謝の気持ちをインセンティブとして贈るMaaSサービス「meemo(ミーモ)」を提供する。

 導入されるのは感謝経済を示す「ミー」。「ありがとう」の印としてドライバーに提供されるが、地域通貨とは異なり、「貯金」などはできず、その日で消える「生もの」として企画した。そこから、一定のメニューに交換できる。あえてそういう設計にすることで関係性構築を優先することにした形だ。

 担当者は「地域により課題も様々だし、活性化などに関わる組織や企業もさまざま。地域に浸透し、じっくりを根差した活動を展開したい」と意欲を示す。

 取り組みを追った。

(19日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)