2023.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’23展望  理美容家電

「自分を整える」美容家電は高級機が売れている

「自分への投資」で高額商品売れる

 コロナ禍で関心が高まったカテゴリーの一つが、自身を整えるまたはより美しく見せる理美容家電だ。男女問わず幅広い製品が注目を集めるようになり、「自分への投資」だけに高額品が売れている。

 代表的な製品はドライヤー。普段から髪を乾かしたりセットしたりするのに使うが、髮に潤いを与えるなど高級機の引き合いが強い。日本電機工業会(JEMA)の統計では、昨年4~11月の累計出荷台数は306万2000台と前年並みの推移だが、出荷金額については2割近く伸びている。パナソニックやシャープ、ダイソンなどが高級機を展開し、存在感を発揮している。

 美容機器も充実してきている。ボディーやフェースに使える光美容器などはさまざまなメーカーから製品が発売され、価格帯も幅広い。リフトケアや肌を潤すスチーマー、目元ケアなど製品群のバリエーションが増えている。一式全てそろえるとかなりの金額になるが、家電量販店の店頭でも展示スペースは広がる傾向があり、高級機を中心に今年も美容家電は成長カテゴリーだろう。

 同時に、男性用美容機器も年々注目度が増している。コロナ禍の行動制限で外出機会が減り、一時的に出荷が伸び悩んだ電気シェーバーも昨年4~11月累計では前年同期比103・1%の487万6000台と伸びた。在宅勤務ばかりでなく、出社の機会も増えたことで髭をそる習慣が復活してきている。

 電気シェーバーは男性が身だしなみを整えるアイテムの一つに過ぎず、男性用身だしなみグッズのラインアップは増えている。「メンズグルーミング」とカテゴリーされる領域で、眉毛や鼻毛などをそれるフェースケア製品や全身のムダ毛をケアするボディーケア製品、男性向け光美容器も提案されている。

 空港での水際対策が大幅緩和されるなど、行動制限は平時に戻りつつあるが、今年も新型コロナの感染症対策を意識しながらの生活になる。以前のように出社が当たり前ではなく、多くの企業で在宅勤務と出社のバランスを取った働き方が今年も続くはずだ。

 こうした生活様式が定着することで、「たまの外出」に気を配る消費者は増えるはず。購入しやすい価格帯がそろっているため、まずはお試しで使ってみて、気に入ったら高級機にグレードアップし継続、といった使い方も少なくないだろう。美容家電は女性向けというイメージが強いが、男性の利用が増えており、市場の裾野が拡大していると言える。参入メーカーも多いため、今年も市場の活性化が期待できる。