2023.01.11 【電子部品総合特集】全国電子部品流通連合会各地区協議会23年取り組み 中部電子部品流通業協議会(CEP)坂 明憲会長

坂 会長

急な生産ギャップ対応が課題

 2022年もコロナウイルスの影響の中、製造業においては作りたくても作れない状況は続き、電子部品流通においても非常事態の一年が続いた。

 中部地区も供給網の混乱は続いており、前半はトヨタ自動車をはじめとする自動車産業界が前年の挽回をすべく高い生産計画を立てていたが、半導体など部品の不足で計画値の7割程度の生産で推移した。予想に反して後半も不足したため予定生産数を達成することはできなかった。

 状況改善のため、大手部品メーカー各社は23年以降の挽回生産に備えて在庫水準を増やしているが、中堅以下の自動車部品各社はいまだに部品調達に苦労し、供給網の安定には今後も不安が残る。

一方、工作機械などの生産設備は順調に受注増加を続けていたが、中国景気の減速や先進国の金利上昇は設備投資への影響が大きく、22年後半は伸び率が鈍化した。23年はコロナ政策と金利政策の緩和による伸長を期待する。

 また、生産数の違いから自動車産業より遅れて供給網の混乱が始まったこの業界は、23年以降の半導体を含めた電子部品の安定調達が課題と思われる。今後は経済活動の正常化を期待しているが、地政学的リスクや世界的な金利上昇政策での景気減速によって、急激な生産ギャップに中部地区のサプライチェーンがどう対応するかが大きな課題となる一年だと考える。