2023.02.03 電子部品メーカー大手8社の第3四半期累計決算 多くが2ケタ増収を達成も、22年秋以降は鈍化が鮮明に

パワエレ用フィルムコンデンサー

 電子部品企業の業績が踊り場を迎えている。2月3日までに発表した電子部品メーカー主要8社(TDK、日本電産、京セラ、村田製作所、ミネベアミツミ、日東電工、アルプスアルパイン、ローム)の22年度第3四半期累計連結決算(4-12月)は、7社が2ケタ増収、4社が2ケタ増益となったが、多くの企業が通期の業績予想を下方修正した。ノートPCやスマートフォン向け需要の落ち込みが、各社の業績に影響を与えている。それでも22年度通期売上高は、8社中7社が過去最高の更新を見込む。

 今年度の各社の業績は、中国ロックダウンや半導体不足による自動車減産などの影響を受けながらも、1Q(4-6月)から2Q(7-9月)にかけて好調に推移した。xEVやADAS関連、FA/半導体製造装置関連、欧米系ハイエンドスマホなどが各社の受注をけん引した。一方で、ノートPCやタブレット端末、中華系スマホなどの需要は低調に推移し、22年秋口以降は、産機や半導体製造装置関連の部品需要も鈍化した結果、3Q単独業績は、当初の計画を大幅に下回った企業が多い。高水準の部品受注残高や、円安による寄与もあり、各社の3Q累計業績は多くの企業が大幅な増収増益を達成した。

 一方、足元の部品市況は、民生機器向けを中心に、厳しさが増している。4Qは季節調整期ということもあり、さらに需要が低下することが予想されている。これまで好調だった産機やデータセンターなどの需要も鈍化が指摘され、加えて、部品ユーザーの部品在庫消化も新規の部品受注を停滞させている。

 今後の部品市況は、23年1-3月が底になるとみている企業が多いが、欧米や中国の景気動向など不透明な要素も多い。それでも、xEV需要の拡大や自動車の挽回生産などにより、年後半には徐々に回復していくことが期待されている。

 そうした中でも、各社の中長期での電子部品需要拡大への見方に変化はなく、各社は今後も中長期を見据えた積極投資を継続する(記事詳細は電波新聞2月6日付で掲載)。