「マッドマックス 怒りのデス・ロード」（2015年）のジョージ・ミラー監督最新作。イスラムの説話集 「アラビアンナイト」をモチーフに、3000年もの間、幽閉されていた孤独な魔人と、見果てぬ夢を追い求める女性学者とが織りなす時空を超えた魂の旅の物語。

　古今東西の物語や神話を研究するナラトロジー（物語論の専門家）のアリシア（ティルダ・スウィントン）は、講演のためトルコ・イスタンブールを訪れた。バザールで美しいガラス瓶を買い、ホテルの部屋に戻ると、中から突然巨大な魔人（イドリス・エルバ）が現れ、瓶から出してくれたお礼に「3つの願い」をかなえようと申し出る。

　アリシアは、願い事の物語はどれも危険でハッピーエンドがないことを知っていて疑念を抱く。魔人は彼女の考えを変えさせようと、3000年に及ぶ自身の物語を語り始める。

　アリシアが、おとぎ話と現実の仲介人として物語の中へと引き込んでくれる。大人が楽しめるファンタジ―作品だ。

　23日から、TOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開。