1889年開催の「パリ万国博覧会」のシンボル塔の設計に挑んだギュスターヴ・エッフェル（ロマン・デュリス）の秘められた物語を、マルタン・ブルブロンが監督、映画化した。

　アメリカの「自由の女神像」の完成に協力したことで名声を得たギュスターヴ・エッフェルは「パリ万国博覧会」のシンボルモニュメントの制作を政府から依頼される。倒壊を恐れる住民や景観破壊を主張する芸術家たちの反対運動に阻まれ、建造はいったん中止に追い込まれる。

　栄光の頂点から絶望へと突き落とされたエッフェルの前に、かつて激しい恋の果てに彼の元を去ったアドリエンヌ（エマ・マッキー）が現れる──。

　現在もフランス・パリを象徴する名所として人気を集めるエッフェル塔。世界的な偉業を成し得た人であっても、その原動力となるのはたった一人の女性。時代や国籍を問わず、愛は原動力になりうる。情熱を取り戻したエッフェルの行動力は実に爽快。

　3日から新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国で公開。